商工ローンを比較検討している方にとっては「大手の商工ローン」「安心して利用できる商工ローン」というのが最重要なポイントではないでしょうか。今回は、商工ローン大手企業をランキング形式で紹介します。また、商工ローンを比較検討するときのポイントも含めて解説します。
そもそも、商工ローンとは?
商工ローンとは
を言います。
ビジネスローンと商工ローンの違いは?
- ビジネスローンは、銀行が開発した中小企業に対して貸付を行うローン商品のこと
- ビジネスローンは、ノンバンクが開発した中小企業に対して貸付を行うローン商品のこと
を言います。
どちらも、「中小企業に対して貸付を行うローン商品」である点は、同じですが、ノンバンクが開発したのが商工ローン、銀行が開発したのがビジネスローンとなります。
ただし、最近では「商工ローンの社会問題化」により、ノンバンクも、銀行も、「中小企業に対して貸付を行うローン商品」は「ビジネスローン」という名称でサービス提供しているのが実態です。
商工ローンは危なくないの?
過去に発生した「商工ローンの社会問題」
すでに破産していますが、日栄、商工ファンドなどが商工ローン大手が悪質な違法行為をしたことで、社会問題化したのです。
悪質な違法行為
- 違法な過剰貸付・押付融資
- 利息制限法違反の高金利
- 違法な取立て
- 「根保証」と連帯保証人への取り立て
現在の商工ローン
前述した商工ローン大手による社会問題は、1990年代後半に発生したものです。
この時期は、貸金業法の法整備も整っておらず、取り締まりも緩かったために、上記のような問題が発生してしまったのです。
実際に、日栄、商工ファンドは、2005年に貸金業法違反により、管轄である関東財務局から業務停止命令が出ています。
貸金業登録をして運営している商工ローン(事業者金融)であれば
- 違法な過剰貸付・押付融資
- 利息制限法違反の高金利
- 「根保証」と連帯保証人への取り立て
- 違法な取立て
は、もうできないのです。もし、上記のことをしてしまえば、すぐに業務停止になってしまいます。
結果として
さらに安全な商工ローン(事業者金融)を選ぶのであれば、貸金業登録が1回以上更新されていることを基準に選ぶと良いでしょう。
商工ローン比較検討のポイント
安全性で比較する
安全な商工ローン大手の条件というのは
- 貸金業登録している
- 貸金業登録が1回以上更新されている
の2点です。
貸金業登録しているか?の確認方法
金融庁の貸金業登録情報の検索サイトで検索します。
登録していないのに他社の貸金業登録番号を勝手に利用する、悪質な闇金業者がいるので
- 番号が存在するか否か?
- 会社名、住所、電話番号が同じかどうか?
をチェックして、その商工ローン(事業者金融)が保有している貸金業登録番号であることを確認しましょう。
貸金業登録が1回以上更新されている
貸金業登録番号というのは
という形で記載されています。
()の中の数字が、更新回数を示しています。更新は3年ごとですので
(1) 創業時
(2) 4年目~6年目
(3) 7年目~9年目
(4) 11年目~13年目
(5) 14年目~16年目
となっており、少なくとも(2)以上の登録番号の商工ローン(事業者金融)を選べば、1回は更新しているので、まともな企業である可能性が高いのです。創業時に免許は取ったけれども、中身が闇金と同等の業者は、更新ではじかれるため、(2)以上であれば安心できるのです。
融資可能額で比較する
も重要なポイントです。
融資可能額が、希望借入額に満たない場合には、何社かの商工ローンを併用しなければなりませんが、借入件数が増えれば増えるほど、審査が通りにくくなってしまうため、1社で借入希望額以上の融資可能額を設定している商工ローン(事業者金融)を選ぶ必要があります。
融資スピードで比較する
も重要なポイントです。
必要なタイミングで資金を調達できないと、経営が困難になるケースが多く、「いつまでに借りられるのか?」は重要な商工ローン比較の判断基準です。
多くの商工ローン(事業者金融)は「最短即日融資」に対応しているので、「最短即日融資」ができる商工ローン(事業者金融)をおすすめします。
審査の甘さで比較する
商工ローンを検討するという状況は
- 公的融資(日本政策金融公庫、制度融資)の審査が通らない、枠を使い切っている
- 大手都市銀行の銀行融資の審査が通らない
- 地方銀行の銀行融資の審査が通らない
- 信用金庫、信用組合の銀行融資の審査が通らない
- 銀行ビジネスローンの審査が通らない
- 大手消費者金融ビジネスローンの審査が通らない
という状況ではじめて選択することになる方が多いです。
つまり、審査面では、なかなか厳し状態からのスタートです。
商工ローン(事業者金融)と言っても、審査がないわけではありませんので、審査の甘い商工ローン(事業者金融)を選んで、審査通過しなければ借りることはできないのです。
困ったことに、商工ローン(事業者金融)の審査の甘さというのは、公開されません。
審査が通るかどうかを判断する唯一の方法は
という方法です。
金利は、利息制限法内であれば、気にしない
本来は、融資を受けるのですから、
のが当然です。
しかしながら、「金利の低さ」と「審査の甘さ」というのは、反比例の関係にあり
金利が高金利であればあるほど、審査は通りやすい
のです。
利息制限法
元本額が10万円未満の借金 → 年率20%以下
元本額が100万円未満の借金 → 年率18%以下
元本額が100万円以上の借金 → 年率15%以下
商工ローン大手ランキング
1位.Carent「ビジネスローン」
金融機関名 | 株式会社IPGファイナンシャルソリューションズ |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | ネットキャッシング型ビジネスローン |
下限金利 | 7.80% |
上限金利 | 18.00% |
最大限度額 | 500万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | - |
法人経営者の利用 | ○ |
融資スピード | 最短即日(最短30分審査) |
最長返済期間 | 120カ月 |
事業者ローンの比較検討ポイント
比較項目 | 内容 |
---|---|
融資対象 | 法人 |
企業規模 | 中小企業 |
融資可能額 | 最大500万円 |
融資スピード | 最短即日融資 |
上限金利 | 18.0% |
融資タイプ | 証書貸付型 |
貸金業登録更新回数 | 3回/(4)※2020年12月時点 |
事業者ローンのおすすめのポイント
Carent「ビジネスローン」は、ネットキャッシング型の商工ローン(事業者金融)です。
来店不要で、即日審査、即日振込、即日融資が可能になっています。
融資額は、最大500万円と決して高いわけではありませんが、ネットキャッシングですので、来店不要で、オンラインで借り入れが可能です。利便性も高く、おすすめの商工ローン(事業者金融)と言えます。
2位.オージェイ「ビジネスローン・事業資金融資」
金融機関名 | 株式会社オージェイ |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | 事業融資型ビジネスローン |
下限金利 | 10.00% |
上限金利 | 15.00% |
最大限度額 | 2,000万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | ○ |
法人経営者の利用 | ○ |
融資スピード | 最短即日 |
最長返済期間 | 36カ月 |
事業者ローンの比較検討ポイント
比較項目 | 内容 |
---|---|
融資対象 | 法人・ |
企業規模 | 中小企業 |
融資可能額 | 最大2,000万円 |
融資スピード | 最短即日融資 |
上限金利 | 15.0% |
融資タイプ | 証書貸付型 |
貸金業登録更新回数 | 2回/(6)※2020年12月時点 |
事業者ローンのおすすめのポイント
オージェイ「ビジネスローン・事業資金融資」は、証書貸付型の商工ローン(事業者金融)です。
様々な融資プランを用意しており
- 商業手形割引
- 手形・小切手貸付
- 無担保融資(ビジネスローン・事業資金融資)
- 不動産担保融資
- 動産融資
- 売掛債権担保融資
- 介護・診療報酬担保融資
などが利用可能です。
無担保融資(ビジネスローン・事業資金融資)は
- 最短即日融資が可能
- 最大2,000万が可能
ですので、比較的高額な借り入れにも対応できる商工ローン(事業者金融)と言えます。
無担保のビジネスローン以外の商品も、利用できるものがあれば提案してもらうので、そこも強みと言っていいでしょう。
3位.アクト・ウィル「ビジネスローン・事業資金融資」
金融機関名 | アクト・ウィル株式会社 |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | 事業融資型ビジネスローン |
下限金利 | 7.50% |
上限金利 | 15.00% |
最大限度額 | 5,000万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | - |
法人経営者の利用 | ○ 年商5,000万円以上の法人 |
融資スピード | 最短即日(最短60分審査) |
最長返済期間 | 36カ月 |
事業者ローンの比較検討ポイント
比較項目 | 内容 |
---|---|
融資対象 | 法人・ |
企業規模 | 中小企業 |
融資可能額 | 最大5,000万円 |
融資スピード | 最短即日融資 |
上限金利 | 15.0% |
融資タイプ | 証書貸付型 |
貸金業登録更新回数 | 2回/(6)※2020年12月時点 |
事業者ローンのおすすめのポイント
アクト・ウィル「ビジネスローン・事業資金融資」は、証書貸付型の商工ローン(事業者金融)です。
最短即日融資が可能
最大5,000万が可能
全国対応
と、高額な借り入れが期待できる商工ローン(事業者金融)となっています。
現在は、30日間利息無料キャンペーンを展開しており、積極的な融資をしています。
審査面、借入額、お得さ踏まえて、おすすめの商工ローン(事業者金融)です。
商工ローンの審査にも通らないときはどうすれば良いの?
方法その1.ファクタリングを利用する
3社以上の商工ローン(事業者金融)に申し込んでも、審査に通らないということは
ということを意味しています。
この段階で
- 公的融資
- 銀行融資
- ビジネスローン
などを検討しても、審査に通らない可能性が非常に高いのです。
そうなると、審査が不要で資金調達ができる方法を探すしかありませんが、一つの方法は「ファクタリング」です。
ファクタリングは、売掛債権の譲渡です。売掛金が入金される前に、売掛債権を買い取ってもらって、多少金額が手数料分目減りしても、早期の資金調達をする方法です。
ファクタリングにも、審査はあるのですが、ファクタリング審査の対象は「売掛先(クライアント)の信用力」ですので、資金調達を利用する会社の審査ではありません。
赤字決算、税金未納であっても、利用できる資金調達方法のため、商工ローン(事業者金融)の融資が通らなくても、審査に通る可能性が出てくるのです。
方法その2.代表者個人の借り入れを検討する
法人としての借入では、審査が通らないのですから、代表者(経営者・役員)の個人借入で、法人に貸し付ける形を取ることをおすすめします。
個人名義での借入であれば
- 銀行カードローン
- 消費者金融カードローン
- クレジットカードキャッシング
- 友人・知人からの借入
- 親・兄弟からの借入
など、様々な方法を取ることができます。
審査も、法人よりは甘いため、借りられる可能性も出てくるのではないでしょうか。
とくにすでにお持ちのクレジットカードにキャッシング枠が設定されていれば、今すぐに借り入れをすることも可能です。
方法その3.売却できる資産がないか?を検討する
審査が不要な資金調達方法には「資産の売却」という方法があります。売却であれば、買い手がいれば審査不要で資金調達が可能になります。
- 不動産
- 自動車
- オフィス家具
- PC機器
- 設備
など、売却できる資産があるかどうかを検討しましょう。
また、
- 事業
自体もM&Aによる売却(事業譲渡)の対象となります。
事業を切り離すことで資金化して、資金調達をすることも可能です。
資産を売却して、資金調達すれば、BS自体もスリム化し、今後の借入に有利になる可能性もあります。
まとめ
商工ローン(事業者金融)を比較検討するときには
- 安全性
- 融資額
- 融資スピード
で比較する必要があります。
とくに商工ローンは、過去に違法融資で社会問題化しているので、とくに「安全性」にこだわって利用する商工ローンを選ぶ必要があります。
安全性の判断基準は
- 貸金業登録をしていること
- 貸金業登録が本物であること
- 貸金業登録を1回以上更新していること
の3点です。
「安心して利用できる商工ローンはありますか?」
「おすすめの商工ローンを教えてください。」