長野県信用保証協会は保証料率表を公表していない|制度ごとの料率から逆算すると基準は0.45%〜1.90%。TAGは0.30%〜1.75%で経営者保証も不要

長野県信用保証協会 料率は逆算で読むと書かれたアイキャッチ。料率表は非公表・制度別の幅から求めるという副題と2026年10月時点のバッジ、右側に基準・TAG・サスティナビリティ・創業関連の4本の料率の幅を示した横棒のイラスト

長野県信用保証協会のサイトには、ほかの県の協会にはたいてい載っている「保証料率表」が見当たりません。保証料のシミュレーションも用意されていますが、料率は利用者が自分で入力する方式です。そのかわり、個別の保証制度のページに制度ごとの料率が書かれています。2026年10月28日に11の保証制度のページを開き、そこに出ている料率から基準の料率を逆算しました。

この記事で確かめたこと

  1. 協会のサイトに9区分の保証料率表は掲載されていません。信用保証料シミュレーションは、料率を利用者が入力する作りです。
  2. 制度ごとのページには料率が出ています。金融機関連携型推進保証「TAG」は年率0.30%〜1.75%で、通常より0.15%引き下げた料率と明記されています。
  3. サスティナビリティ推進保証は年率0.35%〜1.80%で、通常の9段階から0.1%引き下げた料率とされています。
  4. どちらも引き下げ幅を足し戻すと0.45%〜1.90%になり、全国の一般保証の区分と一致します。
  5. 経営者保証を外す「事業者選択型経営者保証非提供保証」は、所定の料率に+0.25%または+0.45%を上乗せします。
  6. 創業関連保証・SSS保証は年率0.55%〜1.00%、事業承継特別保証は年率0.20%〜1.90%と、制度ごとに幅が違います。

料率表の代わりに、制度ごとのページに料率が書いてある

長野県信用保証協会のサイトは「借入相談」の下に保証制度を並べる構成で、制度ごとに保証限度額・返済方法・保証期間・担保・連帯保証人・保証料率が表になっています。協会全体の料率表というページは用意されていません。信用保証料シミュレーションはありますが、借入金額・借入期間に加えて信用保証料率を自分で入力する形式で、料率そのものは示されません。

つまり、自分の会社に当てはまる料率を知りたい場合は、使う予定の制度のページを開いて、そこに書かれている幅を見ることになります。並んでいる制度は次の11です。

長野県信用保証協会のサイトに並ぶ保証制度(2026年10月28日時点)
制度 公表されている保証料率 経営者保証
創業関連保証・SSS保証 年率0.55%〜1.00% SSS保証は不要
サスティナビリティ推進保証「ともにみらいへ」 年率0.35%〜1.80% 制度ページに記載なし
金融機関連携型推進保証「TAG」 年率0.30%〜1.75% 不要(連帯保証人の欄が「不要」)
事業承継特別保証 年率0.20%〜1.90% 一定の要件の下で不要
事業者選択型経営者保証非提供保証 所定の料率+0.25%または+0.45% 上乗せと引き換えに非提供
セーフティネット保証 別枠で利用可・保証料率0.8%以下 制度による
経営改善サポート保証 最長15年の借入。補助の案内あり 制度による
協調支援型特別保証 保証料の一部に国からの補助 制度による
小口零細企業保証/事業者カードローン保証/モニタリング強化型特別保証 各制度ページを参照 制度による

引き下げ幅から基準の料率を逆算する

2つの制度が「通常より◯%引き下げた料率」と書いたうえで、引き下げ後の幅を示しています。これを足し戻すと基準の幅が出ます。

引き下げ後の料率から基準の料率を逆算する
制度 引き下げ幅 引き下げ後の料率 足し戻した幅
金融機関連携型推進保証「TAG」 0.15% 年率0.30%〜1.75% 0.45%〜1.90%
サスティナビリティ推進保証 0.1% 年率0.35%〜1.80% 0.45%〜1.90%

2つの制度から同じ0.45%〜1.90%が出ます。これは全国の信用保証協会が一般保証に使っている9区分の上下と同じ値です。表そのものは公表されていませんが、長野県も同じ区分を使っていると読めることになります。区分の考え方は信用保証協会とは?に整理しています。

長野県信用保証協会の金融機関連携型推進保証「TAG」のページの公式キャプチャ画面。通常の保証料率より0.15%引き下げた料率でご利用いただけますという説明の下に、保証限度額8,000万円、返済方法は分割返済、保証期間は運転資金7年以内ただし借換は10年以内、担保は必要となる場合があります、連帯保証人は不要、保証料率は年率0.30%〜1.75%と表示されている
金融機関連携型推進保証「TAG」。0.15%引き下げ後の料率が0.30%〜1.75%と明記されている(2026年10月28日取得)

「TAG」は協会独自。経営者保証が要らない

TAGは「通常より低い保証料かつ経営者保証不要でご利用いただける当協会独自の保証商品です」と説明されています。連帯保証人の欄は「不要」、担保の欄は「必要となる場合があります」です。保証限度額は8,000万円で、返済方法は分割返済(期間1年以内の場合は一括返済も可)。保証期間は運転資金が7年以内、ただし借換は10年以内、設備資金は15年以内で、いずれも据置期間1年以内を含みます。

設備資金15年という長さは、この協会の制度の中で最長です。事業承継特別保証の分割返済が10年以内、創業関連保証が10年以内ですから、設備投資を長い期間で返していきたい場合はTAGが選択肢に入ります。

ただし条件は「金融機関との連携」です。取引している金融機関がこの制度を扱っているかどうかで、使えるかが決まります。協会ではなく、まず金融機関に聞く順番になります。

サスティナビリティ推進保証は二段階で下がる

サスティナビリティ推進保証「ともにみらいへ」は、財務内容に応じた9段階の保証料率から0.1%引き下げた料率で使えます。さらに、サスティナビリティに係る具体的な認定等を取得していると、その料率から10%引きになります。

長野県信用保証協会のサスティナビリティ推進保証のページの公式キャプチャ画面。財務内容に応じた9段階の保証料率から0.1%引き下げた料率でご利用いただけます、認定等を取得していると上記料率からさらに10%引きとなりますという説明と、保証限度額3,000万円、保証料率は年率0.35%〜1.80%、認定等を取得している場合は0.315%〜1.620%という表示がある
サスティナビリティ推進保証。認定等を取得すると0.315%〜1.620%まで下がる(2026年10月28日取得)
サスティナビリティ推進保証の料率(公表値)
条件 保証料率 基準との差(下限で比較) 保証限度額
基準(逆算) 0.45%〜1.90% — 制度による
サスティナビリティ推進保証 0.35%〜1.80% 0.10ポイント低い 3,000万円
同・認定等を取得している場合 0.315%〜1.620% 0.135ポイント低い 3,000万円

保証期間は運転資金が7年以内、設備資金が10年以内で、どちらも据置期間1年以内を含みます。限度額3,000万円はTAGの8,000万円より小さいので、金額が大きい借入では料率の低さより限度額が先に効きます。

経営者保証を外すと料率が上がる

経営者保証を提供しないことを選べる「事業者選択型経営者保証非提供保証」は、保証料の上乗せが条件です。協会が示している上乗せ幅は2段階で、要件のうち(3)の①と②の両方に該当する場合が+0.25%、①または②のどちらか、あるいは法人設立後2事業年度未満の場合が+0.45%です。

長野県信用保証協会の事業者選択型経営者保証非提供保証のページの公式キャプチャ画面。一定の要件を満たした場合、保証料の上乗せを条件として経営者保証を不要にできる制度ですという説明と、保証料率の欄に信用保証協会所定の保証料率+0.25%、および+0.45%の2つの条件が表示されている
事業者選択型経営者保証非提供保証。上乗せは+0.25%か+0.45%の2段階(2026年10月28日取得)
経営者保証を外したときの料率(基準0.45%〜1.90%に上乗せした場合)
上乗せの区分 上乗せ幅 下限の料率 上限の料率
上乗せなし(基準) — 0.45% 1.90%
要件(3)①②の両方に該当 +0.25% 0.70% 2.15%
①または②、または設立後2事業年度未満 +0.45% 0.90% 2.35%

保証限度額と保証期間は「本保証を適用する保証の制度要綱等によります」とされており、この制度単体では決まりません。また、事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証を使う場合は、上乗せとなる保証料の一部について国からの補助が受けられると注記されています。経営者保証を外す方法の全体像は経営者保証なしで借りられる信用保証は3制度にまとめています。

創業と事業承継は別の幅になる

創業関連保証・SSS保証は、保証限度額が3,500万円(創業関連保証とSSS保証の合算)、保証期間が10年以内(据置期間1年以内を含む。申し込み時の状況により1年超の据置期間を設定できる場合がある)、保証料率は年率0.55%〜1.00%です。SSS保証は経営者保証不要とされています。

事業承継特別保証は、保証限度額が2億8,000万円、返済方法は一括返済なら1年以内、分割返済なら10年以内(据置期間1年以内を含む)、保証料率は年率0.20%〜1.90%です。専門家による確認を受けた場合は通常より引き下げた料率になると説明されています。

幅の形が制度ごとに違う

創業は上限が低い

0.55%〜1.00%。下限は基準より高いが、上限は基準の1.90%よりずっと低い。財務の評価が定まらない創業期でも料率が跳ねない。

事業承継は下限が低い

0.20%〜1.90%。上限は基準と同じで、下限だけが大きく下がる。専門家の確認を受けられるかで位置が変わる。

TAGは全体が下がる

0.30%〜1.75%。上下ともに基準から一律で引き下がる形。金融機関との連携が前提になる。

自分の料率を知る順番

料率表が無いときの調べ方

1

使う制度を先に決める

創業なのか、設備投資なのか、経営者保証を外したいのか。制度が決まらないと料率の幅も決まらない。

2

制度ページの幅を見る

各制度のページの「保証料率」の行に、その制度での上下が書かれている。

3

金融機関に自社の区分を聞く

9区分のどこに入るかは財務内容で決まり、協会のサイトには出ていない。取引金融機関の窓口で確認する。

4

シミュレーションで概算を出す

料率が分かったら、協会のシミュレーションに借入金額・期間・料率を入れて概算を出す。据置期間や不均等分割では計算方法が変わると注記されている。

よくある質問

長野県信用保証協会の保証料率表はどこにありますか

2026年10月28日時点で、協会のサイトに9区分の料率表のページは見当たりません。制度ごとのページに、その制度での料率の幅が書かれています。

結局いくらになりますか

制度と財務内容の区分で決まります。基準は逆算で0.45%〜1.90%、TAGなら0.30%〜1.75%、サスティナビリティ推進保証なら0.35%〜1.80%、認定等があれば0.315%〜1.620%です。自社がどの区分に入るかは協会のサイトでは分かりません。

経営者保証を外すと高くなりますか

なります。事業者選択型経営者保証非提供保証では、所定の料率に+0.25%または+0.45%が上乗せされます。ただし促進特別保証を使う場合は、上乗せ分の一部に国の補助があると注記されています。

いちばん長く借りられるのはどれですか

公表されている範囲では、金融機関連携型推進保証「TAG」の設備資金15年以内(据置期間1年以内を含む)が最長です。運転資金は7年以内、借換は10年以内です。

セーフティネット保証の料率はいくらですか

協会のトップページには「別枠で利用可能」「保証料率0.8%以下」と表示されています。号ごとの違いはセーフティネット保証とは?にまとめています。

ほかの都道府県の協会とは違いますか

逆算した基準の幅(0.45%〜1.90%)は共通ですが、割引の種類と幅は協会ごとに違います。各協会の比較は信用保証協会の一覧から確認できます。

出典

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