福井県で信用保証付きの事業資金を借りるとき、保証料がいくらになるかは協会の料率表を見れば先に計算できます。ただし福井県信用保証協会の料率表は1本ではありません。協会そのものの料率表が3本、県の制度融資に使う料率表が3体系、事業承継向けの特別料率がさらに1本あり、同じ区分でも通す制度によって負担が倍近く変わります。2026年11月5日に協会の「信用保証料について」を読み、どの表がどの場面で使われるのか、下限がどこまで下がるのかを整理しました。
2026年11月5日に福井県信用保証協会の公表値で確認した4点
- 協会の責任共有保証料率は9区分で年1.90%〜0.45%。責任共有外は年2.20%〜0.50%で、特殊保証だけ年1.62%〜0.39%と別の表になっている。
- 県制度保証には3つの体系があり、体系1(A)の下限は年0.23%。協会の責任共有の下限0.45%の約半分になる。
- 事業承継特別保証制度と経営承継借換関連保証制度は、専門家の確認を受けた場合に年1.15%〜0.20%の特別料率表が使われる。
- 定性要因による割引は有担保0.1%と会計参与0.1%の2つだけ。会計参与の割引は個人事業者と医療法人等が対象外になる。
協会の料率表は3本。責任共有・特殊保証・責任共有外で下限が違う
福井県信用保証協会は、中小企業信用リスク情報データベース(CRD)で財務諸表を評価して9段階の基準料率を判定し、そこに財務以外の要因を加えて料率を決めると説明しています。その基準料率の表が、責任共有制度の対象かどうかと、特殊保証かどうかで3本に分かれます。

| 料率表 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 責任共有 | 1.90 | 1.75 | 1.55 | 1.35 | 1.15 | 1.00 | 0.80 | 0.60 | 0.45 |
| 責任共有(特殊保証) | 1.62 | 1.49 | 1.32 | 1.15 | 0.98 | 0.85 | 0.68 | 0.51 | 0.39 |
| 責任共有外 | 2.20 | 2.00 | 1.80 | 1.60 | 1.35 | 1.10 | 0.90 | 0.70 | 0.50 |
特殊保証とは、手形割引根保証、電子記録債権割引根保証、当座貸越根保証、事業者カードローン当座貸越根保証を指すと協会が定義しています。
3本の中で最も低いのは特殊保証の第9区分0.39%で、最も高いのは責任共有外の第1区分2.20%です。同じ会社でも、どの保証を使うかで負担は5倍以上開きます。保証料の性格そのものは信用保証料は何の対価か?で整理しています。
決算書がない事業者は第5区分。評価されないのではなく割り当てられる
CRDは財務諸表から区分を判定しますが、判定に使う決算書がない場合もあります。福井県信用保証協会は、そのときの扱いを3つの類型で明示しています。いずれも第5区分、つまり責任共有なら年1.15%が基準になります。
第5区分が基準料率になる3つの類型
類型1
法令上、貸借対照表と損益計算書を作成する義務を課せられていない事業者で、実際に両方がない場合。個人事業者が典型。
類型2
事業開始後、最初の事業年度の決算がまだ来ていない事業者。創業直後はここに入る。
類型3
同一の事業を営む複数の者で、その借入れについて連帯債務を負担している事業者。
創業したばかりの会社や、青色申告でも貸借対照表を作っていない個人事業者は、審査で不利な区分に落とされるのではなく、最初から真ん中の区分が当てられるという整理です。決算を2期重ねれば、そこからは財務の中身で区分が動きます。
県制度保証は3体系。体系1なら下限が年0.23%まで下がる
福井県の制度融資を使う場合は、協会の表ではなく県制度保証の料率表が当てられます。こちらは体系1から体系3まで3つあり、同じ第9区分でも0.23%から0.45%まで開きます。借入先の金融機関にどの体系の制度を使うのかを確認するだけで、保証料が半分になることがあります。
| 体系 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 体系1(A) 責任共有 | 1.49 | 1.35 | 1.17 | 0.99 | 0.85 | 0.73 | 0.55 | 0.38 | 0.23 |
| 体系2(A) 責任共有 | 1.70 | 1.56 | 1.37 | 1.19 | 1.02 | 0.89 | 0.70 | 0.50 | 0.35 |
| 体系2(B) 責任共有外 | 1.96 | 1.77 | 1.58 | 1.39 | 1.18 | 0.97 | 0.78 | 0.59 | 0.40 |
| 体系3(A) 責任共有 | 1.90 | 1.75 | 1.55 | 1.35 | 1.15 | 1.00 | 0.80 | 0.60 | 0.45 |
体系3(A)の数字は協会の責任共有保証料率とすべて同じです。つまり体系3の制度を使っても保証料の面では上乗せも値引きもありません。差が出るのは体系1と体系2で、第1区分では体系1(A)1.49%に対し体系3(A)1.90%と0.41ポイントの開きがあります。
協会は「原則として、全ての保証が経営状況を踏まえて弾力化されますが、例外として経営安定関連保証などの特別な保証には一律の料率が適用されます」と書いています。セーフティネット保証のような制度では、区分による上下がそもそも効きません。
適用される区分そのものは申込者が自分で選べるものではなく、協会は「適用される区分については、金融機関を通じて保証協会へご照会いただけます」としています。金融機関に区分を聞いてから体系を選ぶ順番になります。
事業承継では専門家の確認で年1.15%〜0.20%の表に替わる
事業承継特別保証制度と経営承継借換関連保証制度には、専用の特別料率表があります。適用されるのは、経済産業省の委託またはその再委託を受けて事業承継支援を行う者が雇用する専門家の確認を受けた場合です。
| 区分 | ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ | ⑨ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 特別料率 | 1.15 | 1.00 | 0.85 | 0.70 | 0.60 | 0.50 | 0.40 | 0.30 | 0.20 |
| 責任共有との差(ポイント) | 0.75 | 0.75 | 0.70 | 0.65 | 0.55 | 0.50 | 0.40 | 0.30 | 0.25 |
第1区分では0.75ポイント下がり、負担は約6割になります。事業承継を控えていて区分が上位にある会社ほど、専門家の確認を受ける手間に見合う計算です。
割引は2つだけ。会計参与は個人事業者と医療法人等が対象外
財務以外の要因による割引は、福井県信用保証協会では2種類しか公表されていません。どちらも0.1%で、両方そろえば0.2%下がります。
定性要因にもとづく2つの割引
有担保保証に対する割引
0.1%
割引料率が適用される保証で、人的担保を除く担保の提供がある場合に適用される。
会計参与設置会社に関する割引
0.1%
一括返済契約保証を除く保証で、会計参与を設置した旨の登記を示す書類を提出した場合に適用される。個人事業者、医療法人等は対象外。
会計参与の設置は登記事項なので、書類を出すだけでは足りず、先に登記が要ります。個人事業者はこの割引を使えないため、実務上は担保の提供による0.1%だけが選択肢になります。
分割返済なら分割係数で下がる。25回以上なら0.55
保証料は期間に比例しますが、分割返済では残高が減っていくため、分割係数を掛けて調整します。福井県信用保証協会は、均等返済と不均等返済で別の係数を公表しています。
| 返済回数 | 均等返済 | 不均等返済 |
|---|---|---|
| 2回以上6回以下 | 0.70 | 0.77 |
| 7回以上12回以下 | 0.65 | 0.72 |
| 13回以上24回以下 | 0.60 | 0.66 |
| 25回以上 | 0.55 | 0.61 |
同じ回数でも不均等返済のほうが係数が高く、保証料は高くなります。返済をそろえるだけで数%分の差が出る計算です。協会は計算式も公開しており、期日一括返済は月数保証なら「貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)÷12」、確定日保証なら日数を365で割る形になります。分割返済はこれに分割係数を掛けます。協会が示している計算例は次の2つです。
協会が公表している計算例
期日一括返済(月数保証)
23,000円
貸付金額100万円、責任共有保証料率 年1.15%、保証期間24か月。100万円×1.15%×24÷12で計算する。
分割返済(60回・均等)
31,625円
貸付金額100万円、信用保証料率 年1.15%、保証期間60か月、分割係数0.55。100万円×1.15%×60÷12×0.55で計算する。
期間が2.5倍になっても保証料が1.4倍にしかならないのは、分割係数が効いているためです。全国の協会の位置づけを確認するなら信用保証協会は全国に51も合わせて読めます。
よくある質問
Q. 福井県信用保証協会の保証料率はいくらですか。
A. 協会の責任共有保証料率は9区分で年1.90%〜0.45%です。責任共有外は年2.20%〜0.50%、特殊保証は年1.62%〜0.39%と別の表になっています。
Q. いちばん低い料率はどれですか。
A. 公表されている表の中で最も低いのは、県制度保証の体系1(A)第9区分の年0.23%です。事業承継の特別料率の第9区分は年0.20%ですが、専門家の確認を受けた場合に限られます。
Q. 決算書がない場合はどうなりますか。
A. 第5区分が基準料率になります。責任共有なら年1.15%です。法令上、貸借対照表と損益計算書の作成義務がなく実際にない事業者、最初の事業年度の決算がまだない事業者、連帯債務を負担する事業者が対象です。
Q. 割引はいくつありますか。
A. 2つです。人的担保を除く担保の提供で0.1%、会計参与設置会社であることを示す登記の書類提出で0.1%です。会計参与の割引は個人事業者と医療法人等が対象外です。
Q. 自分がどの区分か調べられますか。
A. 協会は、適用される区分は金融機関を通じて保証協会へ照会できると案内しています。申込前に金融機関へ確認するのが早い方法です。

















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