大阪信用保証協会の保証料率は9区分|無担保1.90%〜0.45%、有担保は一律10%割引、CSジョイント保証は1.44%から

借入額・保証料率(無担保1.90%〜0.45%)・分割返済の係数0.550を掛け算の形で並べたアイキャッチ

大阪信用保証協会の保証付き融資では、金利とは別に信用保証料がかかります。料率は一律ではなく、決算内容をもとにしたスコアリングで9つの区分のどれかが当たります。同じ会社でも、担保があるか、どの保証制度を使うか、責任共有制度の対象かどうかで料率は変わります。公表されている料率表をそのまま並べ、どこで数字が動くのかを整理します。

先に押さえる4点

基本となる責任共有保証料率は、無担保で年1.90%〜0.45%の9区分。有担保の通常料率は1.80%〜0.35%です。

有担保の通常料率には一律10%の割引がかかります(平成30年度から)。割引後は1.62%〜0.32%です。

大阪信用保証協会には独自の料率区分があります。CSジョイント保証とチャレンジ応援資金(設備投資応援融資:DX・カーボンニュートラル型)の有担保は1.44%〜0.28%で、基本の有担保割引料率よりさらに低い水準です。

決算書を作っていない場合は自動的に区分5が当たります。貸借対照表と損益計算書を作成していない中小企業者について、そう明記されています。

基本の料率は9区分。無担保で1.90%から0.45%

大阪信用保証協会は、料率の決め方を「お客様の決算内容等をもとに、CRDによるスコアリングシステムを活用し、保証審査を踏まえ、下表の9区分のいずれかの料率を適用します」と説明しています。CRDは中小企業信用リスク情報データベースの略で、信用保証協会や金融機関から中小企業の財務データ等を集めたものです。協会は「匿名データであり、個々の企業を特定したデータベースではありません」とも注記しています。

表1 基本となる責任共有保証料率(年・単位%。大阪信用保証協会の公表値)
区分 1 2 3 4 5 6 7 8 9
有担保(通常料率) 1.80 1.65 1.45 1.25 1.05 0.90 0.70 0.50 0.35
有担保(割引料率) 1.62 1.49 1.31 1.13 0.95 0.81 0.63 0.45 0.32
無担保 1.90 1.75 1.55 1.35 1.15 1.00 0.80 0.60 0.45

区分1と区分9では、無担保で1.45ポイントの差があります。1,000万円を5年で借りる場合、単純に見ても数十万円の差になる幅です。区分は自分では選べず、保証審査を通じて決まります。

同じ9区分という枠組みでも、割引の作り方は協会ごとに違います。愛知県信用保証協会は会計参与設置・担保提供・事業承継応援の3つでそれぞれ0.10%を引く形で、大阪のように有担保へ一律10%を掛ける形ではありません(愛知県信用保証協会の保証料率)。申込先の協会が変われば、同じ会社でも負担は変わります。

有担保の割引料率については「平成30年度より、基本となる責任共有保証料率(年)(有担保)については、一律10%の割引を実施しています」と注記されています。1.80%の10%引きが1.62%、0.35%の10%引きが0.32%(小数第3位を処理した値)という対応です。

大阪信用保証協会の信用保証料についてのページで、9区分の保証料率表が表示されている画面キャプチャ
大阪信用保証協会「信用保証料について」。責任共有制度の説明に続いて、9区分の料率表が制度別に並んでいる。

大阪独自の制度は、基本より低い料率が当たる

料率表には、基本の行のほかに制度ごとの行が並びます。どれも基本の有担保割引料率より低い水準です。

表2 制度別の責任共有保証料率(年・単位%。大阪信用保証協会の公表値)
制度 担保 1 2 3 4 5 6 7 8 9
CSジョイント保証・CSジョイント保証プレミアム 有担保 1.44 1.32 1.16 1.00 0.84 0.72 0.56 0.40 0.28
チャレンジ応援資金(設備投資応援融資:DX・カーボンニュートラル型) 有担保 1.44 1.32 1.16 1.00 0.84 0.72 0.56 0.40 0.28
無担保 1.71 1.58 1.40 1.22 1.04 0.90 0.72 0.54 0.41
FR保証 無担保 1.71 1.57 1.39 1.21 1.03 0.90 0.72 0.54 0.40
特殊保証 有担保 1.52 1.39 1.22 1.05 0.88 0.75 0.58 0.41 0.29
無担保 1.62 1.49 1.32 1.15 0.98 0.85 0.68 0.51 0.39

特殊保証については「当座貸越(貸付専用型)根保証、事業者カードローン当座貸越根保証等の根保証をいい、低保証料率を適用します」と定義されています。単発の証書貸付ではなく、枠を設定して繰り返し使う形の保証です。

設備投資でDXや脱炭素に取り組む場合、チャレンジ応援資金の有担保が当たれば区分1でも1.44%です。基本の有担保割引料率1.62%より0.18ポイント低くなります。どの制度を使えるかは融資の目的で決まるため、資金使途を先に固めるほど料率の条件は良くなりやすい構造です。

責任共有の対象外だと料率は上がる

責任共有制度は、協会と金融機関がリスクを分け合う仕組みです。大阪信用保証協会は「責任共有の割合は信用保証協会が80%、金融機関が20%です」としています。この対象外になる保証には、別の料率が適用されます。

表3 基本となる責任共有外保証料率(年・単位%。大阪信用保証協会の公表値)
担保 1 2 3 4 5 6 7 8 9
有担保 2.10 1.90 1.70 1.50 1.25 1.00 0.80 0.60 0.40
無担保 2.20 2.00 1.80 1.60 1.35 1.10 0.90 0.70 0.50

区分1の無担保で比べると、責任共有の対象なら1.90%、対象外なら2.20%。0.30ポイントの差です。協会は「セーフティネット保証等、一部、一律の料率が適用される商品もございます」とも注記しており、制度によっては区分に関係なく決まった料率が当たります。制度の全体像は信用保証協会は全国に51で整理しています。

決算書を作っていない場合は区分5

スコアリングの前提は決算内容です。そのため、決算書が無い場合の扱いがあらかじめ決められています。協会は「貸借対照表及び損益計算書を作成していない中小企業者については、下表の区分5の料率を適用します」としています。

区分5は9区分の真ん中で、無担保なら1.15%です。最良の区分9(0.45%)とは0.70ポイントの差があります。決算書を整えること自体が料率に効く可能性がある、という読み方ができます。

料率区分が分かるタイミング

協会は「信用保証料率区分は保証諾否とともに決定し、お客様には金融機関よりお渡しする『信用保証決定のお知らせ』にて保証料率および保証料等をお知らせします」としています。

「保証決定以前でも、保証料率等についてお客様からのお問い合わせがある場合、お答えすることも可能ですが、あくまでも見込みであり、確定した保証料率等ではありません」とも書かれています。事前に聞ける数字は、あくまで見込みです。

保証料の払い方と、戻ってくる場合

支払いのタイミングは融資の実行時です。「貸付実行時に金融機関にて、一括でお支払いいただきます」とされています。ただし例外があり、「一定の条件を満たす場合で、お客様のお申し出がある場合には、分割でのお支払いも可能です」と書かれています。分割の場合は、信用保証料の総額に分割割合を乗じた額を各年度に支払う形です。

繰上完済した場合の返戻についても定めがあります。「最終履行期限前に完済された場合等で、お客様の取引状況等により当協会が適当と認めた場合、信用保証料の一部を返戻することがあります。ただし、1,000円未満となる場合は返戻いたしません」。返ってくるかどうかは協会の判断で、少額なら返戻されません。

そもそも保証料が何の対価なのかという整理は、信用保証料は何の対価かに別途まとめています。

逆に遅れた場合の負担もあります。「保証付債務の返済が遅延し、最終履行期限を経過した場合、遅延日数および遅延保証金額に応じて、延滞保証料をお支払いいただきます」とされています。

分割返済だと保証料は係数で圧縮される

保証料は借入額に料率を掛けて終わりではありません。分割返済の部分には、返済回数に応じた係数が掛かります。元金が減っていくぶん、保証の残高も減るためです。

表4 分割返済部分に適用される係数(大阪信用保証協会の公表値)
返済回数 均等分割返済 不均等分割返済
2回〜6回 0.700 0.770
7回〜12回 0.650 0.715
13回〜24回 0.600 0.660
24回超 0.550 0.605

回数が多いほど係数は小さくなります。24回を超える均等分割なら0.550で、一括返済に比べて保証料はおよそ半分の水準に圧縮されます。均等か不均等かでも差が出るため、返済計画の組み方が保証料にそのまま効きます。協会は保証料シミュレーションも公開しています。

申し込みは金融機関から。協会へ直接ではない

図1 大阪信用保証協会が示す利用の流れ(8ステップ)

  1. 融資及び保証の申込 金融機関へ融資および保証の申込をします。
  2. 保証依頼 金融機関が融資を適当と判断した場合、信用保証委託申込書等の必要書類を協会へ提出します。
  3. 審査 協会が保証に係る審査を行います。担当者が訪問して直接話を聞く場合もあります。
  4. 保証承諾 保証承諾を行う場合、協会が金融機関に信用保証書を送付します。
  5. 融資 金融機関が信用保証書に基づいて融資を行います。この際、金融機関を通して信用保証料を支払います。
  6. 返済 条件に従って借入金を返済します。
  7. 代位弁済 返済ができなくなった場合、協会が代わって金融機関へ返済します。
  8. 返済 代位弁済後は、協会へ借入金を返済します。

入口が金融機関である点は、ほかの保証協会と同じです。協会に直接持ち込む形ではありません。代位弁済が起きたあとの扱いは代位弁済されたあとはどうなる?で扱っています。

「保証が受けやすくなる」という勧誘への注意

大阪信用保証協会が掲げている注意喚起(「ご利用の流れ」ページ)

「信用保証協会では、金融あっせん屋等の第三者が介在する保証申込は一切取扱いを行いません。」

「『信用保証が受けやすくなる。』などの名目で、不正に手数料、入会金等を要求するいわゆる金融あっせん屋にはくれぐれもご注意ください。」

「不審な勧誘等があれば、信用保証協会、または最寄の警察署、消費生活センター等にご相談ください。」

費用についても、協会は「信用保証料の他は、相談料・あっせん料・用紙代など一切いただきません」と明記しています。保証料以外の名目で金銭を求められた場合、その相手は協会ではありません。

大阪信用保証協会のご利用の流れのページで、8つのステップと金融あっせん屋への注意が表示されている画面キャプチャ
大阪信用保証協会「ご利用の流れ」。中小企業者・金融機関・協会の間を①融資および保証の申込から⑥返済まで矢印でつなぐ図と、その下に「もしも途中で返済できなくなったら……?」として⑦代位弁済・⑧返済の図が置かれている。

よくある質問

大阪信用保証協会の保証料率はいくらですか。
基本となる責任共有保証料率は、無担保で年1.90%〜0.45%、有担保の通常料率で年1.80%〜0.35%の9区分です。有担保の通常料率には一律10%の割引がかかり、割引後は1.62%〜0.32%になります。
料率の区分はどう決まりますか。
決算内容等をもとにCRDによるスコアリングシステムを活用し、保証審査を踏まえて9区分のいずれかが適用されます。貸借対照表と損益計算書を作成していない場合は区分5が適用されます。
保証料はいつ払いますか。
貸付実行時に金融機関で一括払いです。一定の条件を満たし、申し出がある場合は分割払いも可能とされています。
繰上返済したら保証料は戻りますか。
最終履行期限前に完済された場合等で、取引状況等により協会が適当と認めた場合に一部が返戻されることがあります。ただし1,000円未満となる場合は返戻されません。
協会に直接申し込めますか。
利用の流れの1番目は「金融機関へ融資および保証の申込をしていただきます」です。金融機関が適当と判断した場合に、協会へ保証依頼が出されます。
保証料以外の費用はかかりますか。
協会は「信用保証料の他は、相談料・あっせん料・用紙代など一切いただきません」としています。

まとめ

大阪信用保証協会の信用保証料率は9区分です。基本の無担保で年1.90%〜0.45%、有担保の通常料率で年1.80%〜0.35%、有担保にはさらに一律10%の割引がかかります。責任共有の対象外になると、無担保で最大2.20%まで上がります。

大阪には独自の低い料率区分があります。CSジョイント保証とチャレンジ応援資金(設備投資応援融資:DX・カーボンニュートラル型)の有担保は1.44%〜0.28%で、基本の割引料率より低い水準です。資金使途によって使える制度が変わるため、目的を固めるほど条件は整えやすくなります。

区分は保証諾否とともに決まり、事前に聞ける数字は見込みにとどまります。決算書を作成していない場合は区分5が当たるため、決算を整えること自体が料率に効く可能性があります。実際の料率と保証料は、取引金融機関を通じてご確認ください。

参照した一次情報

  • 大阪信用保証協会「信用保証料について」https://www.cgc-osaka.jp/guide/charge/(責任共有の割合80%対20%、9区分の保証料率表、有担保の一律10%割引、CSジョイント保証・チャレンジ応援資金・FR保証・特殊保証の料率、責任共有外の料率、決算書未作成の場合は区分5、料率区分の決定時期、支払い方法と分割、返戻と1,000円未満の扱い、延滞保証料、分割返済の係数、保証料以外を徴収しないこと)
  • 大阪信用保証協会「ご利用の流れ」https://www.cgc-osaka.jp/guide/flow/(申込から代位弁済後の返済までの8ステップ、金融あっせん屋等の第三者が介在する保証申込は取り扱わない旨)
  • 大阪信用保証協会「保証料シミュレーション」https://www.cgc-osaka.jp/guide/calculator/(協会が公開している保証料の試算ツール)

料率・係数・手続きは2026年10月1日に大阪信用保証協会の公式サイトで公表されていた内容です。制度や料率は改定されることがあります。実際に適用される料率区分は保証審査を経て決まり、事前の回答は見込みにとどまります。個別の条件は取引金融機関または大阪信用保証協会にご確認ください。

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