ビジネスローンを利用するときにとくに注意しなければならない点は「ビジネスローンは短期の資金繰りに利用するもの」ということです。今回はこの理由について解説します。
ビジネスローンは短期の資金繰りに活用すべきもの
ビジネスローンは
- 最短即日融資
- 審査が甘い
- 無担保
- 第三者保証人なし
という「借りやすい」という最大のメリットがある代わりに
- 金利が高い
ローンサービスです。
一般的なビジネスローンの金利は
5.0%~15.0%
となっています。
中小企業における銀行融資の金利
1.0%~4.0%
ですから、3倍~5倍の高金利設定となってしまうのです。
利息の比較
1000万円の借入をした場合
- ビジネスローン 12.0%
- 銀行融資 3.6%
だとすると、これらは年率ですから
月率に直せば
- ビジネスローン 1.0%
- 銀行融資 0.3%
毎月の利息
- ビジネスローン 10万円
- 銀行融資 3万円
という月7万円もの利息返済の差になってきます。
短期の資金繰りに活用するコツ
1.売上が見込めている資金調達に利用する
- 受注が決まっていて原材料の仕入に利用する
- 受注が決まっていて人員の補充に利用する
・・・
というのであれば、高金利のビジネスローンであっても、それほど大きな問題はありません。売上が入金されるまでの期間の一時的な資金繰りとしては、最短即日融資ができて、審査が甘いビジネスローンはうってつけだからです。
2.つなぎ資金として利用する
- 不動産の売却が決まっているが売却までの期間の資金調達が必要
- 売掛金の入金が決まっているがその期間までの運転資金が必要
- 銀行融資の審査がおりるまでの期間、資金が必要
・・・
つなぎ資金というのも、すでに入金が見込めているものですから、ビジネスローンを利用して資金調達しても全くもんだいありません。
3.高金利のローンの借り換えとして利用する
ビジネスローンでも、高金利のビジネスローンと低金利のビジネスローンがあります。高金利のビジネスローンを完済して、低金利のビジネスローンに借り換えることができれば、十分にメリットがある利用方法と言えます。
4.同時並行で低金利の銀行融資の道を探る
という経営者の方がビジネスローンを選択肢にするケースも多いはずです。
この場合に重要になるのは「同時並行で低金利の銀行融資の道を探る」ということです。
運転資金が枯渇してしまい、すぐに資金が必要というケースでビジネスローンを利用することは決して間違った判断ではありません。
何しろ、ビジネスローンは即日融資が可能で、審査も甘いのです。
しかし、ビジネスローンで借りられたとしても、それは応急処置にすぎず、そこで終わりにせずに、継続して低金利の銀行融資の道を探るべきなのです。
低金利の銀行融資が借りられたら、その資金でビジネスローンの残債を完済して、借り換えれば、結果的に短期の資金繰りにしかビジネスローンは利用していないことになります。
「ビジネスローンで資金調達できたから、安心」と甘んじてはいけないのです。継続して低金利の資金調達方法を探しましょう。
まとめ
ビジネスローンを利用する理由というのは様々だと思いますが、決して忘れてはいけないことは
ビジネスローンは高金利のローン → 短期の利用にとどめるべき
ということです。
「銀行から借りられない。」「すぐに資金が必要。」という状況で活躍するビジネスローンですが、そのまま何年も継続して利用すべきものではないのです。長期の資金繰り方法を継続的に探す努力をしなければなりません。