ビジネスローンを利用中の方、利用したいと考えている方で「ビジネスローンでの借り換え」についての情報を必要としている方も少なくありません。今回は、ビジネスローン借り換えの活用法について解説します。
ビジネスローンは借り換えできるの?
そもそも、「ローンや債務の借り換え」というのは
- A社:200万円の借入がある状態で
- B社から、200万円の借入をして
- A社に完済をする
- 債務はB社:200万円が残り
- 債務がA社からB社に移ったことになる
という手順のものです。
つまり、現在の借入先のA社にとっては
「完済してもらった。」
というだけのことですので、拒否することもできないのです。
- 他の借入からビジネスローンへの借り換え
- ビジネスローンから他の借入への借り換え
- ビジネスローンからビジネスローンへの借り換え
どれでも問題なくできるのです。
他の借入からビジネスローンへの借り換え
他の借入とは
- 銀行融資
- 公的融資
- 売掛債権担保ローン
- 証券担保ローン
- 不動産担保ローン
- 動産担保ローン
- ソーシャルレンディング
・・・
など、いろいろありますが・・・
正直に言えば
ビジネスローン借り換えとは
です。
借り換えの目的は「返済額の軽減」だけではありませんが、「返済額の軽減」が9割を超えていると言っていいでしょう。
ビジネスローンは
です。
法定利息(利息上限)
- 元本が100,000円未満の場合:年率 20%
- 元本が100,000円以上1,000,000円未満の場合:年率 18%
- 元本が1,000,000円以上の場合:年率 15%
ですから、大抵のビジネスローンの上限金利は15.0%近辺に設定されているのです。
- 借入額が大きい
- 信用力が高い
- 法人としての経常利益が大きい
- 返済実績が多い
という状況であれば、10%を切る低金利が設定されることもありますが、概ね15.0%近辺の金利が適用されていると考えてよいでしょう。適用金利の平均値は12.0%~13.0%ぐらいです。
そうなると
他の借入
- 銀行融資
- 公的融資
- 売掛債権担保ローン
- 証券担保ローン
- 不動産担保ローン
- 動産担保ローン
- ソーシャルレンディング
・・・
の方が、金利は低金利なのです。
ということは
他の借入からビジネスローンへの借り換えは、ほぼ意味がない
と言っていいでしょう。
一部、
- 現在借り入れ中の有担保ローンの担保を外したい。
- 現在借り入れ中の融資の保証人を外したい。
- 極度方式のビジネスローンを利用したい。
- コンビニATMで借入ができるビジネスローンを利用したい。
というニーズで「高金利になっても、ビジネスローンへ借り換える」という方がいないとも限りませんが、かなりの少数派でしょう。
ビジネスローンから他の借入への借り換え
前述した通りで
ビジネスローンは
- 無担保
- 第三者保証人なし
- 即日融資
- 審査が甘い
というメリットがある反面、高金利のローンです。
「審査が甘い」という理由でビジネスローン300万円を借り入れしたとしても・・・
- 複数の銀行に融資を依頼していたら、ある銀行から300万円借りられた。
となったら、その300万円でビジネスローンを完済して、借り換えを完了させておくべきなのです。
- ビジネスローン金利:10.0%~15.0%
- 銀行融資金利:2.0%~5.0%
ですので、銀行融資に借り換えた方が、返済負担が小さくなるのです。
「即日融資でないと取引先の支払いに間に合わない」という理由でビジネスローン300万円を借り入れしたとしても・・・
同時並行で依頼していた銀行融資の審査が通って、1か月後に300万円借りられた。
となったら、その300万円でビジネスローンを完済して、借り換えを完了させておくべきなのです。
これは
- 日本政策金融公庫
- 保証協会の保証付き融資
- 有担保ローン
・・・
どれでも、同じです。
ビジネスローンからビジネスローンへの借り換え
ビジネスローンからビジネスローンへの借り換えの場合は、金利を確認してから、借り換えを実行します。
ビジネスローンは
- 諸費用:無料
- 繰り上げ返済手数料:無料
であることが多いので
であれば、借り換えをしてしまった方がメリットが大きいと言えます。
ただし、ビジネスローンにも
「極度方式」と「証書方式」
- 極度方式:枠の範囲内で何でも借りられる
- 証書方式:初回に借りたら、あとは返済のみ
「ローンカード型」と「事業融資型」
- ローンカード型:ローンカードがあるのでコンビニATM、銀行ATMで24時間借り入れ可能
- 事業融資型:初回に銀行振り込みや現金手渡し、追加での借り入れはない
と利便性の違いがあるので、金利が低金利だからと言って、借り換えたときにその機能が使えなくなってしまう可能性があります。
現在利用中のビジネスローンの機能がなくなっても構わないという場合は
ということになります。
ビジネスローン借り換え活用法
無利息期間中にの借入に借り換える!
一番おすすめのビジネスローン借り換えの活用法は
「無利息期間中に他の借入に借り換える。」
です。
ビジネスローンには、無利息期間をサービス、キャンペーンとして用意しているものがいくつかあります。
30日間無利息サービス
を展開しているビジネスローンの場合は、30日間金利0.0%なのです。
つまり、その無利息期間中に他の借入に借り換えられれば、一番利息負担が小さくなります。
パターンその1.銀行融資のみ
- 6月1日:資金が必要
- 6月1日:銀行融資申込
- 6月30日:銀行融資審査通過
- 6月30日:借入(金利2.0%)
パターンその2.ビジネスローンのみ
- 6月1日:資金が必要
- 6月1日:ビジネスローン申込
- 6月1日:ビジネスローン審査通過
- 6月1日:融資
- 6月1日:無利息期間スタート
- 6月30日:無利息期間終了
- 7月1日:借入(金利15.0%)
パターンその3.ビジネスローンから銀行融資のへの借り換え
- 6月1日:資金が必要
- 6月1日:ビジネスローン申込
- 6月1日:銀行融資申込
- 6月1日:ビジネスローン審査通過
- 6月1日:融資
- 6月1日:無利息期間スタート
- 6月30日:無利息期間終了
- 6月30日:銀行融資審査通過
- 6月30日:借入(金利2.0%)
- 6月30日:銀行融資の資金でビジネスローンを完済
- 7月1日:借入(金利2.0%)
つまり
のです。
これは無利息期間があるビジネスローンに限った話ではありませんが、
- 即効性 → ビジネスローン
- 低金利 → 銀行融資
と、同じ借入でも、特徴が異なるので、上手く両者のいいところどりができる方法が「借り換え」なのです。
ビジネスローン借り換えの注意点
借り換えをするときは、資金使途に「借り換え」と伝えておく必要がある
借り換え目的で借りるビジネスローン審査では
- ビジネスローンA社:300万円
という状態のときに
借り換え先のビジネスローンB社に資金使途を伝えずに300万円の申込をすると
ビジネスローンB社から見れば
と判断します。
「総額600万円の借入」をベースにしたビジネスローン審査になるのです。
資金使途が「借り換え」であることを伝えて300万円の申込をすると
ビジネスローンB社から見れば
A社の返済履歴にも遅延がないから、大丈夫。
と判断します。
有担保ローンに借り換えると、返済できないときに担保を失うリスクがある
ビジネスローンは、無担保ローンですので金利が高いという側面もあります。
つまり、
- 不動産担保ローン
- 証券担保ローン
- 売掛債権担保ローン
- 動産担保ローン
- ABL
・・・
などの有担保ローンは、担保があるので、かなりの確率でビジネスローンよりも低金利となります。
しかし、忘れてはいけないのは
ビジネスローン(無担保ローン)の場合には、返済できなくても、何かがとられるということはありません。(※連帯保証人には請求が行きます。)
しかし、有担保ローンになると話は別です。
有担保ローンで返済できなければ
- 不動産担保ローン → 不動産が勝手に売却される
- 証券担保ローン → 有価証券が勝手に売却される
- 売掛債権担保ローン → 売掛債権が勝手に売却される
- 動産担保ローン → 在庫や車、機械などの動産が勝手に売却される
ことになるのです。
「無担保ローン」 → 「有担保ローン」への借り換え
では
のです。
「低金利だから、借り換えればいいや。」というのは早計で
担保や保証人の兼ね合い、今後の関係性、金利、枠、借り入れの方法・・・
など、様々な視点で「借り換えをして良いのか?」考える必要があるのです。
まとめ
ビジネスローンの借り換えはできるのか?
できます。
- 他の借入からビジネスローンへの借り換え
- ビジネスローンから他の借入への借り換え
- ビジネスローンからビジネスローンへの借り換え
どれでも問題なくできるのです。
ただし、
- ビジネスローン金利 > 他の借入の金利
となるため
ビジネスローンの活用法としては
- 他の借入からビジネスローンへの借り換え → 有効ではない
- ビジネスローンから他の借入への借り換え → 一番有効
- ビジネスローンからビジネスローンへの借り換え → 低金利のビジネスローンがあれば有効
という形になります。
その中でも
無利息期間のあるビジネスローンを活用して、無利息中に借り換えをすれば
- 無利息期間を享受できる
- 即日融資が可能
- 低金利の他の借入をするまでの猶予期間ができる
- 最終的に他の借入の低金利が返済利息となる
- 他の借入の審査に失敗しても、慌てる必要がない
というメリットがあるため、借り換えの活用法としておすすめできます。
ビジネスローン借り換えの注意点としては
- 借り換え審査時に資金使途が「借り換え」であることを伝える
- 有担保ローンへの借り換えは「担保を失うリスク」が増えることを理解する
というものがあります。
ビジネスローンは
無担保
第三者保証人なし
即日融資
審査が甘い
というメリットがある反面、高金利の借入ですので、時間がかかっても、銀行融資や公的融資などの低金利の借入に借り換えをすべきものです。一度や二度、銀行融資や公的融資の審査に落ちたとしても、あきらめずに申込続けることをおすすめします。ビジネスローンで借り続けても良いのですが、年率15.0%というのは、それなりに経営数字には大きくのしかかるものです、早めにビジネスローンから、銀行融資や公的融資に借り換えができれば、その分利息負担が減って、経常利益率も改善します。そうすると、今後は銀行融資や公的融資の審査に通りやすくなる好循環に入るのです。
ビジネスローン自体は、様々なメリットがある借入ですが、高金利というのが最大のネックです。高金利を回避するためには「他の借入への借り換え「」を活用するしかないのです。他の借入への借り換えにチャレンジし続けましょう。
「ビジネスローンで借り換えをするメリットってあるの?」