ビジネスローンの仕訳方法・勘定科目。どう記帳する?

woman
「ビジネスローンは会計時にどうやって仕訳ければ良いのでしょうか?」
「ビジネスローンの勘定科目はどうなりますか?」
「ビジネスローンの返済時の仕訳はどうなりますか?」
・・・

ビジネスローンの会計処理について疑問を感じている法人経営者、経理担当者、個人事業主の方も多いのではないでしょうか。今回は、ビジネスローン会計時の仕訳方法・勘定科目について解説します。

ビジネスローンは「借入金」

ビジネスローンも、不動産担保ローンも、事業者ローンも、銀行融資も、信用金庫からの借入も、日本政策金融公庫からの借入も、役員からの借入も、取引先からの借入も・・・

会計上は「借入金」となります。

全部、同じなのです。

ビジネスローンの仕訳 = 借入金としての仕訳

と思っていただいて構いません。

借入金としてビジネスローンを仕訳ける方法について解説していきます。

ビジネスローンは「短期借入金」か?「長期借入金」か?

借入金には大きく分けて2種類あります。

  1. 「流動負債」 → 「短期借入金」
  2. 「固定負債」 → 「長期借入金」

「短期借入金」とは

  • 資金を借り入れた日の翌年度の期首日から起算して1年以内に支払期限の到来するもの

「長期借入金」とは

  • 資金を借り入れた日の翌年度の期首日から起算して1年を超えて支払期限の到来するもの

と会計上は設定されています。

企業会計原則注解

注16 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について

貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。

では、ビジネスローンはどちらに分類されるものでしょうか?

例:オリックスVIPローンカード BUSINESSの場合

(4) 契約期間:1年毎の自動更新

となっています。

ローンカード型のビジネスローンの場合は、ローン残高に応じて借入・返済がコンビニATMでできるリボルビング払いを採用しているため、通常の銀行融資とは違って「いつまでに完済」というのが決まっていません。利用したいのであれば、最低返済額を返済し続ける限り、いつまでも借りることができます。

woman
「じゃあ、ビジネスローンは長期借入金なの?」

と思ってしまいがちですが

concierge

前述した通りで契約期間は「1年毎の自動延長」です。

つまり、契約上は1年毎なので「短期借入金」に分類するのが一般的な仕訳方法です。

ローンカード型のビジネスローンは「短期借入金」です。

例:ビジネクスト

一方、ビジネクストの場合は

返済方式および返済期間・回数

元利均等返済:最長5年(60回以内)
元金一括返済:最長1年(12回以内)

となっています。

元利均等返済の場合は、借入時に完済月が決定します。

  • それが1年を超えていたら「長期借入金」
  • それが1年を超えていなければ「短期借入金」

となるのです。

concierge

同じビジネスローンであっても、返済方法と返済期間によって「短期借入金」か?「長期借入金」か?が変わってくるので注意が必要です。

ただし、会計方法によっては、銀行などの金融機関からの借入を「長期借入金」、ビジネスローン等の銀行融資以外の借入金を「短期借入金」として処理しているところも多いようです。どちらの方法でも構いませんが、毎年同じ会計方法で処理する必要があります。決めかねている方は、税理士や会計士に相談しましょう。

「借入金」の仕訳方法

借入金の仕訳方法を解説します。

条件

  • 500万円の借入
  • 金利:年率12.0%
  • 元利均等返済
  • 5年(60回払い)

ビジネスローンに申し込んで審査が通り、契約後、銀行振込で入金された場合

借方貸方
普通預金5,000,000円借入金5,000,000円

普通預金に入金されたとすれば、普通預金が500万円分増えているので「借方」に普通預金、「貸方」に借入金(短期借入金、長期借入金)を入力します。

普通預金ではなく、現金で受け取っていれば現金を「借方」に入力します。

1か月目の返済

利息の計算方法

ビジネスローン等の金利は「年率:〇〇%」という形で1年間の金利が表示されています。ただし、利息を計算するときには日率にしてから、経過日数を乗じる計算方法になります。

元利均等返済の場合

利息 = ローン残債:500万円 × 年率12.0% / 365日 × 借入日数(30日) = 49,315円

という計算になります。

1か月目の返済利息は49,315円となります。

元利均等返済は、毎月の返済額が一定ですので、計算すると毎月の返済額は111,222円です。これは計算することもできますが、借入時にビジネスローン会社から提示されます。

1か月目:111,222円の返済のうち

  • 利息支払:49,315円
  • 元金返済:61,907円

ということになります。

仕訳は

借方貸方
借入金61,907円普通預金111,222円
支払利息49,315円

となります。

利息の支払いには「支払利息」が利用されます。

2か月目の返済

1か月目の返済でローンの元本が61,907円減って、4,938,093円になっています。

後は同じ計算をします。

元利均等返済の場合

利息 = ローン残債:4,938,093円 × 年率12.0% / 365日 × 借入日数(30日) = 48,704円

2か月目の返済利息は48,704円となります。1か月目の返済で元本が減った分、若干支払利息も減っています。

1か月目:111,222円の返済のうち

  • 利息支払:49,315円
  • 元金返済:62,518円

ということになります。

借方貸方
借入金62,518円普通預金111,222円
支払利息49,315円

これを繰り返して、「借入金」が0円になったところが関西になります。5年返済であれば60回で完済できる計算になっています。

一般的にビジネスローンの契約時に、返済予定表(償還予定表)を渡されるはずですので、それを見ながら、支払利息と元本の返済額を入力していけば間違えあることはありませんし、自分で計算する必要もありません。

5年目(60か月目)

残債が毎月の返済額111,222円以下になっているはずですので、残りの残債分の入力をします。

借方貸方
借入金109,001円普通預金110,102円
支払利息1,101円

これで借方の借入金が0円になって、返済終了「完済」ということになります。

借入金の仕訳の注意点

「利息返済」と「元本返済」は分けて記帳する

前述した通りで、「利息」と「元本」は計算して分離して記帳しなければなりません。

そうしないと、元本がどのくらい減ったのか?どのくらい利息を支払っているのか?わからなくなってしまうからです。

ビジネスローンの利息は経費になる

ローンの利息は経費計上可能です。
元本の返済は経費計上ができません。

「利息」は、必要経費として処理しますが、「元本返済」は借りたお金を返すだけなので経費計上できません。

そもそも、会計上の処理が異なるのですから、分離して仕訳る必要があるということです。

消費税の税区分は「不課税取引(課税対象外)」

借入というのは、売上ではありませんから、消費税の課税はありません。課税対象外です。

ビジネスローンの仕訳方法その他のケース

前述した仕訳方法がビジネスローンの一般的な仕訳方法ですが、違うケースもあるので紹介します。

個人事業主、自営業者がビジネスローンを利用する場合

基本的には同じです。

借方貸方
普通預金5,000,000円借入金5,000,000円

で処理します。

ただし、事業用の普通預金口座ではなく、プライベートで利用している口座に入金される場合には「普通預金」ではなく「事業主貸」を利用します。

借方貸方
事業主貸5,000,000円借入金5,000,000円

個人事業主、自営業者の場合には、法人のように口座が事業性のものか?プライベートのものか?区別がつきにくいので「普通預金」と「事業主貸」で区別するのです。

個人事業主、自営業者の場合は、あくまでも個人ですので、カードローンで借りたお金を事業資金に利用しても、大きく問題になることはありません。

ビジネスローンではなく、カードローンを利用したとしても

借方貸方
事業主貸5,000,000円借入金5,000,000円

という仕訳方法は変わらないのです。

ただし、仕訳しなければならないのは、ビジネスローンで借りたお金を事業に使用したケースであり、生活費に使ったのであれば、計上する必要はありませんし、計上してはいけません。

concierge
個人事業主、自営業者は、この棲み分けが難しく、かつビジネスローンも「プライベートに利用しても、事業用に利用してもいいですよ。」となっているため、混同してしまいがちですが税務調査等で問題になってしまう可能性も高いため、ビジネスローンで借りたお金を「事業用なのか?」「プライベート用なのか?」明確に切り分けておく必要があります。

経営者がカードローンで借りたお金を事業資金として使ってしまったら会計処理はどうなるのか?

法人の場合は、法人契約での無担保ローン「ビジネスローン」を利用するのが一般的な方法です。

カードローンは個人向けの無担保ローンであり、カードローン会社のウェブサイトには

資金使途自由 ※ただし、事業性資金は除く

と書かれているはずです。

本来は、法人の事業性資金にカードローンで借りたお金を使ってはいけないのです。

しかし、実際は

  • カードローンの方が借りやすい
  • 法人だとビジネスローンの審査に通らない
  • 法人だと決算書を提出しなければならない。
  • 法人だと赤字決算では借りられない。
    ・・・

という理由から、経営者がカードローンで借りたお金を事業資金に使ってしまうケースは多いのです。

その場合の会計処理としては、経営者・役員からの借入なので

借方貸方
普通預金5,000,000円借入金5,000,000円
(摘要欄・補助科目に代表取締役からの借入)

のように処理します。

金額によっては、貸付金・仮受金のように別の勘定科目を利用するケースもありますが

  • 金額が高額
  • 利息を取る
  • 借入期間が長期にわたる

場合には「借入金」として、「摘要欄」「補助科目」で分類しておくと良いでしょう。

法人カードでキャッシングを利用したらどうなるの?

法人カードの中にはキャッシングが可能な法人カードもあります。

キャッシングで借りた資金を事業資金に利用した場合はどうなるのでしょうか?

キャッシングはローンカード型のビジネスローンと同じで「短期借入金」に該当します。

そのうえで、お金を借りることは変わりませんから

借方貸方
普通預金5,000,000円借入金5,000,000円

が正解です。

これも同じように仕訳をすれば良いのだけです。

ただし、同じ法人カードと言っても、ショッピング利用の場合の仕訳では「未払金」を採用するので注意が必要です。

  • キャッシング → 「借入金」
  • ショッピング → 「未払金」

と同じ法人カードであっても、勘定科目や仕訳方法が変わってくるので注意が必要です。

まとめ

ビジネスローンの勘定科目は「借入金」になります。

「借入金」の仕訳でまず分類しなければならないのは

  1. 短期借入金
  2. 長期借入金

のどちらになるのか?

です。

  1. 完済が1年を超えるのであれば「長期借入金」
  2. 完済が1年を超えないのであれば「短期借入金」

が基本ですが

ビジネスローンでもローンカード型のビジネスローンで「リボルビング返済・極度額方式」を採用している場合には、1年契約ですので「短期借入金」に分類するケースが多いです。

また、返済期間とは関係なく、銀行融資を「長期借入金」、それ以外の借入を「短期借入金」に設定することも多いようです。

「借入金」の仕訳は

  1. 借入時
  2. 返済時(毎回)

に別れ

借入時

借方貸方
普通預金5,000,000円借入金5,000,000円

返済時

借方貸方
借入金61,907円普通預金111,222円
支払利息49,315円

となります。

「元本返済」と「支払利息」が分離して計算する必要があります。

「元本返済」と「支払利息」の内訳は、利息計算で求めることもできますが、ビジネスローンの契約時にビジネスローン会社からもらった返済予定表・償還予定表を参考にすると良いでしょう。利用明細などにも内訳が記載されているはずです。

concierge

ビジネスローンの仕訳は、借入金として処理をすれば良いだけですので、それほど複雑なものではありません。混乱してしまうのは「長期借入金にするのか?短期借入金にするのか?」ぐらいですが、これは会社ごとの経理の方針に即すものです。担当の税理士や会計士に確認の上、計上すると間違えずに済みます。

個人事業主、自営業者の場合は、ビジネスローンやカードローンでも、「事業性資金の利用も可能、プライベート資金の利用も可能」というものが少なくありませんが、混同してしまうと仕訳のタイミングで混乱してしまいますので、「どちら用に利用するのか」あらかじめ決めたうえでビジネスローンを利用することを心がけましょう。

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