熊本県信用保証協会の料率は9区分で1.90%〜0.45%|創業者支援資金は0.35%の一律、令和7年8月大雨枠は0.00%

白地に緑のアクセントで「熊本県信用保証協会 信用保証料率」のタグと「基準は9区分。制度を選ぶと0.35%、0.00%まで下がる」という見出しを置き、基本料率1.90〜0.45%、創業者支援資金0.35%、令和7年8月大雨枠0.00%の3枚のカードを並べたアイキャッチ

熊本県で信用保証付き融資を使うとき、金融機関から渡される資料には「保証料率は区分によって変わります」としか書かれていないことがあります。実際には、9段階の料率も、割引の条件も、制度ごとの基準料率も、熊本県信用保証協会が自分のサイトで公表しています。

2026年10月15日に同協会の公表ページを開き、基本料率、区分の決まり方、割引の要件、県制度と協会制度の基準料率、そして熊本に特有の2つの枠(TSMC進出に伴う台湾関連ビジネス、令和7年8月大雨)までを数字のまま整理しました。

先に結論

基本料率は9区分で、責任共有保証料率が年1.90%〜0.45%、責任共有制度の対象外になる保証の料率が年2.20%〜0.50%。この数字は他県と同じ全国共通の並びです。

区分は原則として直近2期分の決算書または申告書の財務諸表をもとに、中小企業信用リスク情報データベース(CRD)で評価されます。ただし貸借対照表を作っていない個人事業者と事業開始後、最初の決算期が未到来の方は、評価によらず第5区分(責任共有1.15%/対象外1.35%)が当てはまります。

割引は要件ごとに0.1%で、最大0.2%まで。要件は「中小企業の会計に関する基本要領の適用が確認できる」「会計参与を設置していることが登記で確認できる」「担保の提供がある」の3つです。

熊本に固有なのは2つ。熊本県台湾関連ビジネス拡大支援資金(TSMC進出に伴うもの、年0.35%〜1.80%・限度額8,000万円)と、令和7年8月大雨枠(保証料率が一律年0.00%、県が全額補助)です。

基本料率は9区分。1.90%〜0.45%と2.20%〜0.50%の2本立て

熊本県信用保証協会の「信用保証率料の決定まで」には、基本料率の表がそのまま掲載されています。責任共有制度の対象になる保証と、対象外になる保証で別の行になっています。

熊本県信用保証協会の公式画面。信用保証率料の決定までのページで、基本料率の表に責任共有保証料率1.90から0.45、責任共有対象外保証料率2.20から0.50の9区分が並び、第5区分が適用される2つの条件と、0.1%ずつの割引要件A・B・Cが示されている
熊本県信用保証協会「信用保証率料の決定まで」。区分はCRD(中小企業信用リスク情報データベース)による評価で決まり、制度によっては基本料率より低い料率や一律の料率が適用されると注記されている。2026年10月15日時点の表示。
熊本県信用保証協会の基本料率(年率・%/2026年10月15日時点)
区分 第1 第2 第3 第4 第5 第6 第7 第8 第9
責任共有保証料率 1.90 1.75 1.55 1.35 1.15 1.00 0.80 0.60 0.45
責任共有対象外 保証料率 2.20 2.00 1.80 1.60 1.35 1.10 0.90 0.70 0.50

第1区分と第9区分では、責任共有の行で1.45ポイントの差があります。1,000万円を5年で借りて元金均等返済にした場合、この差は保証料の総額で数十万円の違いになります。区分は自分で選べるものではありませんが、どこに置かれているかは金融機関経由で確認できます。

決算書がまだ無い人は、評価ではなく区分が決め打ちされます。熊本県信用保証協会は、(1)個人事業者で貸借対照表を作成していない方、(2)法人または個人事業者で事業開始後、最初の決算期が未到来である方について、第5区分が適用されると明記しています。

第5区分は9段階のちょうど真ん中で、責任共有なら年1.15%、対象外なら年1.35%。創業直後は「審査で不利になるから料率が上がる」のではなく、中央の区分に置かれるという仕組みです。

割引は3要件で各0.1%、最大0.2%

基本料率からの割引も公表されています。要件に該当すればそれぞれ0.1%が引かれ、合計で最大0.2%まで下がります。ただし、割引の適用を受けない制度もあると注記されています。

保証料率の割引要件(2026年10月15日時点)
要件 内容 割引幅
A 財務諸表について「中小企業の会計に関する基本要領」の適用を確認できる、もしくは会計参与を設置していることを登記により確認できる中小企業者 0.1%
B 会計参与を設置していることを登記により確認できる中小企業者 0.1%
C 担保の提供のある事業者 0.1%
合計 上記に重ねて該当した場合 最大0.2%

中小企業会計割引制度の対象になるのは、株式会社・特例有限会社・合名会社・合同会社などで、金融商品取引法の規制対象会社と会計監査人設置会社は除かれます。監査法人・弁護士法人・税理士法人などの士業法人は対象に含まれますが、個人事業者や医療法人等は対象外と明記されています。提出書類は「中小企業の会計に関する基本要領」の適用に関するチェックリストなどです。

対象外になる主な制度として、セーフティネット保証、県金融円滑化(セーフティネット関係)、県創業者支援、県おうえん、熊本市経営向上、熊本市創業サポート、くまもとグリーン(エネ対関係)が挙げられています。料率が低く抑えられている制度では、さらに割引を重ねられない、という整理です。

保証料は返済回数で変わる。25回以上なら係数0.55

保証料の総額は、料率だけでは決まりません。分割返済の回数に応じた係数が掛かります。熊本県信用保証協会は、均等分割返済と不均等分割返済の2列で係数表を出しています。

熊本県信用保証協会の公式画面。信用保証料の計算方法のページで、一括返済・均等分割返済・据置ありの分割返済・不均等分割返済の4つの計算式と、分割回数別区分ごとの係数表が示されている
熊本県信用保証協会「信用保証料の計算方法」。計算額の円未満の端数は切り捨て。均等分割返済とは各回の返済金額が同額(初回または最終回が各回の2倍以内を含む)で、各回の内入日が等間隔のものを指す。2026年10月15日時点の表示。
分割返済回数別係数(2026年10月15日時点)
分割回数別区分 均等分割返済 不均等分割返済
6回以下 0.70 0.77
7回以上12回以下 0.65 0.72
13回以上24回以下 0.60 0.66
25回以上 0.55 0.61

不均等分割返済の係数は、均等分割の係数にその10分の1を加えたものだと説明されています。0.55に対して0.61、0.70に対して0.77という関係です。返済の金額をそろえるだけで、保証料が1割ほど変わります。

協会が挙げている例では、料率年1.35%の保証付融資500万円を期間36ヵ月・元金均等返済で借りる場合、25回以上の均等分割にあたるため係数0.55が使われます。一括返済の場合は係数を使わず、貸付金額×信用保証料率×保証期間(月)÷12で計算します。

熊本県の制度融資は5本。創業者支援資金は年0.35%の一律

県の制度融資にも、基準の保証料率が公表されています。普通保証の基準が年0.45〜1.90%であるのに対して、政策目的のある制度は低く抑えられています。

熊本県信用保証協会の公式画面。主な熊本県融資制度のページで、小規模事業者おうえん資金、金融円滑化特別資金、新事業展開支援資金、創業者支援資金、事業承継者おうえん資金の保証限度額・保証期間・信用保証料率が表で並んでいる
熊本県信用保証協会「主な熊本県融資制度」。ページ左側のメニューには、熊本地震、令和2年7月豪雨、令和7年8月大雨、TSMC進出に伴う台湾関連ビジネスなど、熊本固有の入口が並ぶ。2026年10月15日時点の表示。
主な熊本県融資制度の基準料率(2026年10月15日時点)
制度 保証限度額 保証期間 信用保証料率(基準)
創業者支援資金 3,500万円 1年以上10年以内 年0.35%(一律)
事業承継者おうえん資金 5,000万円 1年以上10年以内 年0.45〜0.50%
金融円滑化特別資金(一般枠) 5,000万円(組合1億円) 1年以上10年以内 年0.45〜1.30%
小規模事業者おうえん資金 2,000万円 運転1〜5年/設備1〜7年 年0.50〜1.35%
新事業展開支援資金 5,000万円(運転2,500万円) 1年以上10年以内 年0.45〜1.90%

創業者支援資金は区分による変動がなく、年0.35%の一律です。基本料率の第9区分(0.45%)よりさらに低い水準で、創業時にいちばん料率が低くなるという設計がはっきり出ています。小規模事業者おうえん資金は責任共有制度の対象外として扱われる保証で、下限が0.50%と、普通保証の0.45%より高くなっている点に注意してください。

協会独自の制度では、普通保証が限度額2億8,000万円(組合4億8,000万円)・運転10年以内/設備20年以内で年0.45〜1.90%、小口零細企業保証が限度額2,000万円・10年以内で年0.50〜2.20%。流動資産担保融資保証は年0.68%の一律、セーフティネット保証(経営安定関連保証)は年0.85%で、7号・8号は年0.72%(特別小口保険を利用する場合は年0.75%)とされています。

熊本にしかない2つの枠

他県の協会のページには出てこない制度が2つあります。どちらも料率の設計が通常と違います。

TSMC進出に伴う台湾関連ビジネス

熊本県信用保証協会の公式画面。TSMC進出に伴う台湾関連ビジネスをお考えの方へというページで、熊本県台湾関連ビジネス拡大支援資金の保証料率年0.35%から1.80%、保証限度額8,000万円、9区分の料率表が示されている
熊本県信用保証協会「TSMC進出に伴う台湾関連ビジネスをお考えの方へ」。熊本県台湾関連ビジネス拡大支援資金のほか、小規模事業者向けに台湾関連ビジネスの借入に使える枠も用意されている。2026年10月15日時点の表示。
台湾関連ビジネス向けの2制度(2026年10月15日時点)
項目 熊本県台湾関連ビジネス拡大支援資金 熊本県小規模事業者おうえん資金(台湾関連)
対象者 台湾に関連する事業に取り組む中小企業 県内で同一事業を1年以上営み、従業員20人(商業・サービス業は5人)以内。協会保証付き融資残高との合計で2,000万円以下
資金使途 運転資金、設備資金 運転資金・設備資金(台湾関連ビジネスに関するものに限る)
保証限度額 8,000万円 2,000万円
保証期間 1年以上10年以内(据置1年以内) 運転1〜5年/設備1〜7年
信用保証料率 年0.35〜1.80%(9区分) 年0.30〜1.15%
担保 必要に応じて徴求 原則として不要
連帯保証人 必要に応じて徴求。ただし法人代表者以外の保証人は原則徴求しない

拡大支援資金の料率は、第1区分1.80%から第9区分0.35%まで9段階です。基本料率(1.90〜0.45%)と比べると、上も下も下がっています。小規模事業者おうえん資金の台湾枠は年0.30〜1.15%で、こちらがさらに低い水準です。

令和7年8月大雨枠は保証料率が年0.00%

もうひとつが、令和7年8月10日からの大雨に対応した枠です。信用保証料率は一律年0.00%で、県が全額補助します。

熊本県金融円滑化特別資金(令和7年8月大雨枠)の条件(2026年10月15日時点)
項目 内容
対象者 (1)令和7年8月10日からの大雨による被害の影響を受け、市町村長が発行する罹災証明書または被災証明書を有する方/(2)被災中小企業者再建支援補助金の交付決定を受け、補助対象として認められた施設・設備の復旧を行う方
保証限度額 8,000万円
保証期間 1年以上10年以内(措置期間2年以内)
信用保証料率 一律年0.00%(県による全額補助)
融資利率 2年以内 年1.50%以内/3年以内 年1.70%以内/5年以内 年1.85%以内/7年以内 年2.00%以内/7年超 年2.20%以内(いずれも固定)
必要書類 一般的な申込書類のほか、(1)は罹災証明書または被災証明書、(2)は「平均売上高等減少理由書」。借換えを行う場合は「借換事業計画書」

セーフティネット保証に対応した別枠もあり、こちらは中小企業信用保険法第2条第5項第4号の「特定中小企業者」として市町村長の認定を受けた方が対象です。令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨で災害救助法の適用を受けた11市町が対象で、一般保証とは別枠の8,000万円になります。

申し込む前に決めておくこと

熊本県で信用保証付き融資を使うときの順番

  1. 使う制度を先に決める
    料率は制度ごとに違います。創業なら創業者支援資金の年0.35%、台湾関連なら拡大支援資金、大雨の被害を受けていれば令和7年8月大雨枠が年0.00%です。
  2. 自分の区分を金融機関に聞く
    直近2期分の決算書または申告書をもとにCRDで評価されます。決算書がまだ無い場合は第5区分です。
  3. 割引に当てはまるか確かめる
    「中小企業の会計に関する基本要領」の適用、会計参与の設置登記、担保の提供。各0.1%で最大0.2%です。ただし低い料率の制度では使えません。
  4. 返済回数を決める
    25回以上の均等分割返済なら係数0.55、6回以下なら0.70。返済額をそろえない不均等分割だと1割ほど係数が上がります。
  5. シミュレーターで総額を出す
    協会は返済方法・借入金額・保証期間・保証料率を入れて目安を出せるシミュレーションを公開しています。

公表されていること/されていないこと

  • 公表されている……9区分の基本料率、割引の要件と幅、分割返済回数別係数、制度ごとの基準料率・限度額・保証期間、計算式。
  • 公表されていない……どの決算内容が何区分になるかの境目。CRDの評価そのものは開示されていません。
  • 決まっていること……決算書が無い段階では第5区分。これだけは評価によらず決め打ちです。
  • 窓口……制度融資の要件は、県・市町村・商工会議所・商工会、または信用保証協会の窓口に問い合わせるよう案内されています。

熊本県信用保証協会についてよくある質問

保証料率は他県と違いますか

基本料率の9区分は、責任共有が年1.90%〜0.45%、責任共有対象外が年2.20%〜0.50%で、全国の協会に共通する並びです。差が出るのは、県や市の制度融資の基準料率と、割引・補助の設計のほうです。熊本では創業者支援資金が年0.35%の一律、令和7年8月大雨枠が年0.00%と、制度側で大きく下げています。

創業したばかりで決算書がありません。料率はどうなりますか

第5区分が適用されます。熊本県信用保証協会は、個人事業者で貸借対照表を作成していない方と、法人・個人事業者で事業開始後に最初の決算期が未到来である方について、第5区分とすると明記しています。責任共有なら年1.15%、対象外なら年1.35%です。なお創業者支援資金を使う場合は、区分によらず年0.35%の一律になります。

割引は誰でも受けられますか

受けられません。中小企業会計割引制度の対象は株式会社・特例有限会社・合名会社・合同会社などで、金融商品取引法の規制対象会社と会計監査人設置会社は除かれます。個人事業者や医療法人等は対象外と明記されています。また、セーフティネット保証や県創業者支援などの制度は割引の対象外です。

返済方法で保証料は変わりますか

変わります。一括返済は係数を使わず「貸付金額×信用保証料率×保証期間(月)÷12」で計算しますが、分割返済では回数別の係数が掛かります。25回以上の均等分割なら0.55、6回以下なら0.70。各回の返済額がそろっていない不均等分割だと、均等分割の係数に1割を加えた数字になります。

台湾関連ビジネスの枠は誰でも使えますか

対象は「台湾に関連する事業に取り組む中小企業の方」とされています。熊本県台湾関連ビジネス拡大支援資金は限度額8,000万円・年0.35〜1.80%、小規模事業者向けの枠は限度額2,000万円・年0.30〜1.15%で、後者は県内で同一事業を1年以上営み従業員20人(商業・サービス業は5人)以内という条件が付きます。

大雨の被害を受けました。保証料は本当に0円ですか

熊本県金融円滑化特別資金(令和7年8月大雨枠)の信用保証料率は、公式に「一律0.00%(県による全額補助)」と記載されています。対象になるのは、罹災証明書または被災証明書を持っている方か、被災中小企業者再建支援補助金の交付決定を受けて施設・設備を復旧する方です。融資利率は別途かかり、期間に応じて年1.50%以内から年2.20%以内の固定です。

他の協会の料率と割引は、信用保証協会は全国に51から各県の記事へたどれます。保証料そのものの考え方は信用保証料は何の対価か、運転資金の必要額の出し方は運転資金とはにまとめています。

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