ビジネスローンを検討している法人経営者や個人事業主でビジネスローンのキャンペーンに対して疑問を持っている方は少なくありません。今回はビジネスローンの最新キャンペーンとキャンペーンの活用法について解説します。
ビジネスローンのキャンペーンとは?
ビジネスローンのキャンペーンとは
です。
ビジネスローンにも繁忙期があります。2月~3月、8月~9月という決算月、半期のタイミングで
- 繁忙期による売上増加で資金繰りが回らなくなったり
- 来期のための設備投資や新規事業で費用が必要になったり
- 決算が悪くなる前に借りておきたいという会社があったり
・・・
など様々な事情で、資金調達の需要は増えるのです。
と考えるビジネスローン会社がキャンペーンを積極的に展開しているのです。
ビジネスローン会社も、3月決算という会社は少なくありませんから、繁忙期でなくても、目標達成のための追い込みとしてキャンペーンを活用するケースもあります。
利用する側にとっては、ビジネスローンのキャンペーンは「お得」なものですから、利用しない手はないのですが、キャンペーンにも色々な種類があり、選び方に注意が必要なのです。
「ギフト券・ポイント」プレゼントキャンペーン
というキャンペーンです。
金利優遇など商品性を変えることのハードルが高い大手のビジネスローン会社が行うことが多いキャンペーンです。1,000円~3,000円程度の設定が多くなっています。
キャンペーン活用のコツ
無視してビジネスローンを比較する
ギフト券やポイントはあった方がお得なのは間違えありませんが、数十万円、数百万円の借入に対して、1,000円~3,000円程度のお得はほとんどないに等しいものです。
100万円の借入の場合
- 年利15% → 年間15万円の利息
- 年利14% → 年間14万円の利息
- 年利13% → 年間13万円の利息
と毎月の返済を考慮せずにざっくり計算すれば、このような利息負担になります。2,000円分のギフト券プレゼントは、金利換算にすれば年率0.2%程度の価値しかないのです。
1,000円~3,000円程度のお得よりも
- 少しでも低金利のビジネスローンを選ぶ
- 審査が通りやすいビジネスローンを選ぶ
方が何倍も重要なことなのです。
「ギフト券・ポイント」プレゼントキャンペーンの金利換算
※1年のコストで換算
100万円借入の場合
- 1,000円分プレゼント → 金利0.1%
- 2,000円分プレゼント → 金利0.2%
500万円借入の場合
- 1,000円分プレゼント → 金利0.2%
- 2,000円分プレゼント → 金利0.4%
1000万円借入の場合
- 1,000円分プレゼント → 金利0.01%
- 2,000円分プレゼント → 金利0.02%
「ギフト券・ポイント」プレゼントキャンペーンが多いビジネスローン
金融機関名 | オリックス・クレジット株式会社 |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | ローンカード型ビジネスローン |
下限金利 | 6.00% |
上限金利 | 17.80% |
最大限度額 | 500万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | 50万円借入時15,000円 |
個人事業主の利用 | ○ ※1年以上の事業歴 |
法人経営者の利用 | ○ |
融資スピード | 最短即日(最短60分審査) |
最長返済期間 | 122カ月 |
無利息キャンペーン
「はじめてのお客様は○○日は金利0%で利用できます!」
というキャンペーンです。
無利息期間があるキャンペーンは比較的ローン商品の中では多く、使い勝手も良いキャンペーンと言えます。キャンペーンと言いながらも、商品設計の要素もあるので、一時的に無利息期間を設定するビジネスローンよりも、恒常的に無利息期間を設けているビジネスローンが多いようです。
キャンペーン活用のコツ
無利息期間中の完済を目指す
「無利息 = 金利0%」ということですから、「無利息期間30日」であれば、30日以内に返済すれば100万円借りても、100万円の返済で済みますし、1,000万円借りても、1,000万円の返済で済むのです。無利息期間中に完済してしまえば、利息は0円、コスト0円で資金調達できることになります。
これは大きなメリットと言っていいでしょう。
ビジネスローンはそもそも高金利を前提にしたローン商品であるため、無利息期間がなくても、「早期完済」「短期の利用」を目指すものです。
無利息キャンペーンを実施しているビジネスローンを選べば「早期完済」「短期の利用」の猶予期間が長くなるのです。
ビジネスローン金利を比較したうえで、金利が近い水準であれば、迷わず無利息キャンペーンを実施しているビジネスローンを選ぶべきです。
金利12.0%のビジネスローンで無利息期間がある場合とない場合の比較
100万円借入
- 無利息期間なし = 100万円 × 12.0% = 利息12万円
- 30日間無利息 = 100万円 × 12.0% × 11/12カ月 = 利息11万円
12カ月のうち1か月分金利が発生しないのですから、金利12.0%なら、金利1.0%分低金利になる効果がるということです。
ということになります。1年間のコストで見た場合ですので、2年目以降は金利11.0%のビジネスローンがお得です。
無利息キャンペーンの金利換算
※1年のコストで換算
金利12.0%の場合
- 30日無利息 → 金利1.0%
- 45日無利息 → 金利1.5%
- 60日無利息 → 金利2.0%
金利15.0%の場合
- 30日無利息 → 金利1.25%
- 45日無利息 → 金利1.625%
- 60日無利息 → 金利2.5%
無利息キャンペーンが多いビジネスローン
※現在は、積極的に無利息キャンペーンを展開しているビジネスローンはありません。
金利優遇キャンペーン
という直接的に金利を優遇する、低金利になるキャンペーンです。金利優遇は直接的な金利割引ですから、優遇後の金利が他のビジネスローン金利よりも低金利であれば、十分にメリットがあるビジネスローンと言えます。
ビジネスローンの場合、上限金利は利息制限法ギリギリの設定が多いので
- 100万円以下 → 上限金利18.0%
- 100万円超 → 上限金利15.0%
が金利優遇2.0%であれば
- 100万円以下 → 上限金利16.0%
- 100万円超 → 上限金利13.0%
となるのですから、他のビジネスローンよりも低金利が適用される可能性が高まるのです。
金利優遇キャンペーンが多いビジネスローン
金融機関名 | 株式会社オリエントコーポレーション |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | ローンカード型ビジネスローン |
下限金利 | 6.00% |
上限金利 | 18.00% |
最大限度額 | 300万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | 50万円借入時10,000円 |
個人事業主の利用 | ○ |
法人経営者の利用 | - |
融資スピード | 数日 |
最長返済期間 | 159カ月 |
ビジネスローンキャンペーン比較のコツ
キャンペーンは金利換算してから、他のビジネスローンと比較する
キャンペーンというのは金利に換算することができます。
プレゼントキャンペーンの場合
- 3000円のプレゼント、100万円の借入、上限金利15.0%の場合
- 金利換算 = 3000 / ( 15.0% × 100万円 ) = 0.2%
無利息キャンペーンの場合
- 無利息期間45日、100万円の借入、上限金利15.0%の場合
- 金利換算 = 15.0% × 45日 / 365日 = 1.85%
金利優遇キャンペーンの場合
となります。
例:100万円の借入でビジネスローンを比較する場合
- A社:キャンペーンなし:ビジネスローン上限金利15.0%
- B社:3000円分のギフト券プレゼント:ビジネスローン上限金利15.0%
- C社:無利息期間45日:ビジネスローン上限金利15.0%
- D社:金利優遇2.0%:ビジネスローン上限金利15.0%
という場合はキャンペーンを金利換算すると
- A社:15.0%
- B社:14.8%
- C社:13.15%
- D社:13.0%
となるので「D社:金利優遇2.0%:ビジネスローン上限金利15.0%」が一番低金利なビジネスローンとなるのです。
ただし、これは1年目の1年間のコスト比較のケースです。
2年以上借り入れる場合、ギフト券プレゼントや無利息期間は、2年目は適用されないので、利息負担は変わりません。金利優遇キャンペーンの場合は、優遇条件に期間がなければ2年目も適用されます。
つまり
- A社:キャンペーンなし:ビジネスローン上限金利11.0%
- B社:無利息期間30日:ビジネスローン上限金利12.0%
を比較した場合に
1年以内に完済するという方の場合は、利息負担は同じです。
- A社:11.0% = B社:11.0%(無利息30日は1.0%分の金利換算)
しかし、完済が2年目以降になってしまうという方の場合は
- A社:11.0% < B社:12.0%
となってしまうので、この場合は「A社:キャンペーンなし:ビジネスローン上限金利11.0%」を選ぶ方が良いということです。
キャンペーン展開中のビジネスローンの方が審査に通りやすい!?
これはビジネスローン会社の審査方針にも関係してくるのですが・・・
ということを意味します。
ビジネスローン自体はスコアリングシステムによって、想定される貸し倒れ率を計算し、そこにビジネスローン会社の収益分を上乗せすることで、審査の可否、融資可能額、適用金利が決まる仕組みとなっています。
というケースでは、貸し倒れ率をいじることはありませんが、ビジネスローン会社の収益分を抑えて、審査に通る会社の許容範囲を広げるような調整はありうるのです。
当然、顧客が増やしたくても、審査基準は絶対に変えないという方針のビジネスローン会社もありますが、「キャンペーンを展開している = 顧客獲得に積極的」なビジネスローン会社の方が審査も通りやすい可能性があるということなのです。
審査に通るのであれば「キャンペーンのはしご」もできる!?
審査に通るということが前提ですが、ビジネスローンは「借り換え」をすることができます。
ビジネスローンの借り換えとは
- A社:金利15.0%、200万円の借入
という状態から
B社:金利13.0%のビジネスローンで200万円を借りて、ビジネスローンA社に完済することで、債務がA社からB社に移行し、最終的に
- B社:金利13.0%、200万円の借入
に移行することを意味します。
例えば
- 30日間無利息キャンペーンをやっているビジネスローンA社
↓ 30日経過後に借り換え
- 45日間無利息キャンペーンをやっているビジネスローンA社
とすれば、合計で75日間の無利息期間が利用できるのです。約2ヶ月半も無利息で資金調達できれば、かなり資金繰りは楽になるはずです。
ただし、この方法の注意点は
借り替える2社目の審査に通るない可能性が出てきてしまう
という点です。
1社目の申込時よりも、2社前の申込時は債務が増えている状態ですので審査のハードルが上がってしまうのです。2社目の審査に通らなければ、この方法は1社目の無利息期間で終わってしまいます。
また、無利息期間を提供しているビジネスローンは数が少ないことにも注意が必要です。何度もできる方法ではありません。
ビジネスローンキャンペーン比較/2024年11月最新
最近では、キャンペーンを展開しているビジネスローンは少なくなってきていますので、キャンペーンではなく、低金利のビジネスローンをおすすめします。
低金利のビジネスローンはこちら
まとめ
ビジネスローンには、ビジネスローン会社が顧客獲得を重視するときに展開されるキャンペーンがあります。
主なキャンペーンには
- ギフト券やポイントのプレゼントキャンペーン
- 無利息キャンペーン
- 金利優遇キャンペーン
がありますが、どれも「金利換算」することが可能ですので、キャンペーンのお得度を「金利換算」して、上限金利から差し引けば、キャンペーンを展開していないビジネスローンとも金利比較をすることが可能です。
「キャンペーンがあるビジネスローンの方がお得なの?」
・・・