ビジネスローンを検討する上で、やはり借りられないと、何もできないため、「重視しなければならないのは『審査が通るか、通らないか?』という点だけ」という経営者も少なくありません。今回は、審査が甘いと言われている独自審査のビジネスローン・事業者ローン、利用する上での注意点について解説します。
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンってあるの?
「激甘」という表現が適しているかどうかはわかりませんが
- 審査が厳しいビジネスローン・事業者ローン
- 審査が甘いビジネスローン・事業者ローン
という違いは、ビジネスローン会社ごとに出てきます。
審査の甘い・厳しいの違いが出るポイントは
その1.金融機関の種類
基本的にビジネスローンを借りる方は、安心して借りられる「メガバンク」から検討するはずです。
- メガバンクでビジネスローン申込。審査に通らなかった。
↓ - 第一地方銀行でビジネスローン申込。審査に通らなかった。
↓ - 第二地方銀行でビジネスローン申込。審査に通らなかった。
↓ - ネット銀行でビジネスローン申込。審査に通らなかった。
↓ - 信用金庫・労働金庫・信用組合でビジネスローン申込。審査に通らなかった。
↓ - 大手グループのノンバンクでビジネスローン申込。審査に通らなかった。
↓ - 中小企業規模のノンバンクでビジネスローン申込
と、徐々に金融機関の種類を信頼性順で落としていくのが一般的です。
当然、メガバンクには優良企業からのビジネスローン申し込みがいっぱい来るわけで、その優良企業の審査水準の中で勝ち抜くのは難しいのです。
しかし、中小企業規模のノンバンクであれば、他の金融機関でビジネスローン審査に通らなかった方が多く申し込むので、その中の審査水準で勝ち抜けば良いのですから、審査に通りやすくなるのです。
ということになります。
その2.金利の高い、低い
高金利であればあるほど、許容できる貸し倒れ率は大きい
ことになります。
つまり、
ということになります。
ビジネスローンの金利は、100万円以上の借りれで年率15.0%が利息制限法の上限ですから
ということなのです。
その3.アナログの独自審査
ビジネスローン・事業者ローンの審査基準というのは
どの金融機関も、開示しない自社の「ノウハウ」なのです。
一番多くの方に融資できて、かつ貸し倒れ率が低く抑えられる「審査基準」の開発が、多くの金融機関の課題であり、それがそのままノウハウになるのですから、開示するものではないのです。
どのビジネスローン会社であっても、
どの銀行であっても、
グループ会社以外は、基本的にその会社自身の「独自審査」なのです。
しかし、その中でも、比較的規模の大きいビジネスローン会社の場合は
- スコアリングシステムによる与信審査
を導入しています。
過去の融資先のデータから、「どういう会社に貸し出すと、貸し倒れ率が高まるのか?」分析し、自動的に決算書データなどから審査を行う仕組みです。
この審査手法を取られると、やはり、決算書の数字が審査のベースとなるため、他のビジネスローン審査に落ちた方は、なかなかこのスコアリングシステムによる自動審査は、通らないのです。
狙い目は
です。
- 人が過去の経験やその会社のマニュアルをもとに、自分で審査を行う
のですから、
- 対面で話した印象
- これからの事業計画
- 人柄
などの決算書データ以外の情報も、重要な審査基準として、採用してくれるのです。
他のビジネスローン・事業者ローンで審査に通らなかった方でも、審査に通る可能性が出てきます。
結論
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンとは?
- 中小企業のノンバンクが提供しているビジネスローンで
- 金利が利息制限法の上限の15.0%(100万円借入時)に近い
- アナログの審査をしてくれるビジネスローン・事業者ローン会社
ということになります。
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンは、具体的にどこ?
上記の条件
- 中小企業のノンバンクが提供しているビジネスローン
- 金利が利息制限法の15.0%(100万円借入時)に近い
- アナログの審査をしてくれるビジネスローン・事業者ローン会社
に当てはまるビジネスローン・事業者ローンは
金融機関名 | 株式会社IPGファイナンシャルソリューションズ |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | ネットキャッシング型ビジネスローン |
下限金利 | 7.80% |
上限金利 | 18.00% |
最大限度額 | 500万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | - |
法人経営者の利用 | ○ |
融資スピード | 最短即日(最短30分審査) |
最長返済期間 | 120カ月 |
金融機関名 | 株式会社オージェイ |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | 事業融資型ビジネスローン |
下限金利 | 10.00% |
上限金利 | 15.00% |
最大限度額 | 2,000万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | ○ |
法人経営者の利用 | ○ |
融資スピード | 最短即日 |
最長返済期間 | 36カ月 |
金融機関名 | アクト・ウィル株式会社 |
本社所在地(都道府県) | 東京都 |
タイプ | 事業融資型ビジネスローン |
下限金利 | 7.50% |
上限金利 | 15.00% |
最大限度額 | 5,000万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | - |
法人経営者の利用 | ○ 年商5,000万円以上の法人 |
融資スピード | 最短即日(最短60分審査) |
最長返済期間 | 36カ月 |
金融機関名 | 株式会社日電社 |
本社所在地(都道府県) | 大阪府 |
タイプ | 事業融資型ビジネスローン |
下限金利 | 5.50% |
上限金利 | 17.52% |
最大限度額 | 10,000万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | ○ |
法人経営者の利用 | ○ ※大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県・三重県 |
融資スピード | 最短即日 |
最長返済期間 | 240カ月 |
金融機関名 | 三鷹産業株式会社 |
本社所在地(都道府県) | 大阪府 |
タイプ | 事業融資型ビジネスローン |
下限金利 | 6.00% |
上限金利 | 18.00% |
最大限度額 | 1,000万円 |
金利タイプ | 固定金利 |
事務手数料 | 0円 |
毎月の最低返済額 | - |
個人事業主の利用 | ○ |
法人経営者の利用 | ○ |
融資スピード | 当日中に審査回答、最短翌日融資 |
最長返済期間 | 36カ月 |
などがあります。
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンを使う際の注意点
注意点その1.闇金業者から借りてはいけない!
- 中小企業のノンバンクが提供しているビジネスローン
- 金利が利息制限法の15.0%(100万円借入時)に近い
- アナログの審査をしてくれるビジネスローン・事業者ローン会社
となると、当然ですが
- 検索しても、情報が少ないビジネスローン・事業者ローン会社
- 聞いたことのないビジネスローン・事業者ローン会社
- 金利が高いビジネスローン・事業者ローン会社
になるため、
ということが避けられます。
- オリックス・クレジット
- プロミス
- AGビジネスサポート(アイフルの子会社)
であれば、ビジネスローンとは言えども、誰でも名前が聞いたことがある大手企業ですので、安心してビジネスローンを借りることができますが、中小企業規模のノンバンクの場合は、そういうわけにはいかないのです。
だとすれば
のです。
「闇金業者(ヤミキン業者)」の見極め方
その1.貸付条件を確認する
前述した通りで、金利が高ければ高いほど、審査は通りやすいのですが、金利には「利息制限法」という法律で決まった上限があります。上限を超えて融資をしてくれるところは「闇金(ヤミキン)」なのです。
チェックすべき貸し付け条件
利息制限法
- 元本が100,000円未満の場合:年率20%以下
- 元本が100,000円以上1,000,000円未満の場合:年率18%以下
- 元本が1,000,000円以上の場合:年率15%%以下
上記を超えていたら、「闇金業者(ヤミキン業者)」です。
そのほか、ウェブサイトやチラシに
- ブラックリストでもOK
- 100%融資保証
「絶対借りられる」ような表現でサービス展開しているビジネスローン・事業者ローン会社は「闇金業者(ヤミキン業者)」の可能性が高いので注意しましょう。
その2. 貸金業登録番号をチェックする
貸金業登録番号というのは、下記のように記載されています。
なのですから、登録を証明する「貸金業登録番号」をチェックすることで、「闇金業者(ヤミキン業者)」をあぶりだせるのです。
貸金業登録番号は下記のように記載されているので
登録番号:関東財務局長(10)第01234号
金融庁のウェブサイトで、本当にその会社が存在しているか確認しましょう。他の会社の貸金業登録番号を掲載する闇金業者(ヤミキン業者)もいるので、番号と会社名、電話番号、住所などが「一致しているかどうか?」を確認します。
登録貸金業者情報検索入力ページはこちら
上記の番号で検索すると、該当する金融機関名が表示されます。
さらに確認すべきは()内の番号です。
貸金業は、3年ごとに免許を更新します。
- (1):3年未満
- (2):3年以上6年未満
- (3):6年以上9年未満
- ・・
の営業年数であることがわかります。
貸金業登録をしていれば、闇金業者(ヤミキン業者)である可能性は低くなるのですが、
実際問題は
のです。
まとめ
- 融資条件が利息制限法の範囲内
- 貸金業登録番号の登録情報と同じ会社として実在している
- 貸金業登録番号の()内の数字が2以上
であれば、闇金業者(ヤミキン業者)の可能性はほとんどありません。
十分に注意してから、審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンを使いましょう。
注意点その2.金利は高いので、短期の利用にすべき!
前述した通りで
なのです。
ということを意味しています。
中小企業で、営業利益率を15.0%以上にするのは「至難の業」です。
長く続くものではありませんので
なのです。
- 経営を改善できる見込みが立ったら、低金利の銀行融資で借り換える
- 家族や知人などから借り入れて、借り換える
形で、早期返済を心がけましょう。
もし、担保や売掛債権があれば、不動産担保ローンや売掛債権担保ローン、ファクタリングも検討しましょう。利息負担が軽減できる可能性が出てきます。
長く借りてしまえば、それこそ、経営の危機に直面します。
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンで審査落ちしたらどうすれば良いの?
当然、審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンでも、審査がないわけではないのですから、審査落ちする可能性はあります。
を意味していると考えましょう。
審査がない資金調達方法としては
- 家族・友人・知人からの借入
- 資産(不動産、機械)の売却
- 在庫の売却
- 売掛債権の売却(ファクタリング)
- 保険の解約
- 敷金の回収
- 事業譲渡(M&A)
- 出資(第三者割当増資)
- クラウドファンディング
などが考えられます。
与信審査がない資金調達方法を試してみましょう。
「与信審査がない資金調達方法」も難しい場合は
- 売掛先に入金を早めてもらう
- 買掛先に支払いを遅らせてもらう
という方法があります。
これで資金繰りを改善している間に、営業活動を強化して、売上を作る必要があります。
その方法も難しいようであれば
早い段階で「会社を清算する」というのも、一つの選択肢です。
会社を清算してしまえば、会社の借金が経営者個人に残っても、自己破産することで借金はチャラになります。そこからリスタートを切れば良いのです。
ずるずると、いろいろな借入先や取引先から資金調達して、延命しても、結局「会社を清算する」ことになってしまったら、迷惑をかける人や取引先が増えてしまい、再起がしにくくなってしまうので、早い段階で算する」という決断も賢い選択と言えるのです。
まとめ
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンは
- 中小企業のノンバンクが提供しているビジネスローン
- 金利が利息制限法の15.0%(100万円借入時)に近い
- アナログの審査をしてくれるビジネスローン・事業者ローン会社
です。
中小企業のノンバンクに、優良な借入希望者は多くないため、審査のハードルも下がり、借りられる可能性が高いのです。
注意しなければならないのは
中小企業のノンバンクのビジネスローン・事業者ローン会社ほど、「闇金業者(ヤミキン)」が紛れてしまう可能性があることです。審査が甘い、資金繰りが苦しいから、すぐに借入を申込むのではなく、「闇金業者(ヤミキン)」でないことをご自身でチェックしたうえで、借りる必要があります。
また、審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンは、高金利ですので、できるだけ早期返済を目指して、別の資金調達方法も、引き続き検討し、借り入れができたら、借り換えて、審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンは完済してしまうことをおすすめします。
審査が激甘なビジネスローン・事業者ローンでも、審査に通らなかった場合には、「与信審査」が不要な資金調達方法を検討する必要があります。
おすすめの事業者ローンランキングはこちら
「独自審査だと審査が甘くなるの?」
「独自審査のビジネスローン・事業者ローンを利用する注意点とは?」