香川県信用保証協会の料率表は2つある|県の制度を通すと同じ区分で最大0.35ポイント低い。割引は有担保と会計参与の0.1%だけ

香川県信用保証協会の保証料率を協会制度と香川県制度で比較した表。①区分は1.90%と1.55%、⑨区分は0.45%と0.40%

香川県信用保証協会の信用保証料率は、ほかの多くの協会と同じ9区分ですが、料率表が2つ用意されている点が特徴です。協会の制度を使うときと、香川県の制度融資を使うときで、同じ区分でも適用される率が違います。協会の公式ページと香川県の融資制度ページで、料率・割引・計算式・県制度の条件を確認しました。

公式ページで確認した数字

  1. 協会制度の責任共有保証料率は①1.90%から⑨0.45%。責任共有外は①2.20%から⑨0.50%。
  2. 香川県制度の責任共有保証料率は①1.55%から⑨0.40%。同じ①区分で0.35ポイント低い。
  3. 区分はCRD(中小企業信用リスク情報データベース)で確定決算内容と定性要因を評価して決まる。貸借対照表を作成していない場合は⑤区分。
  4. 割引は2つだけ。有担保保証で0.1%、会計参与設置会社で0.1%。
  5. 分割返済にすると分割係数がかかる。均等分割なら6回以下0.70、25回以上0.55で、回数が多いほど保証料は下がる。

香川県信用保証協会の料率表は「協会制度」と「香川県制度」の2本立て

協会の「信用保証料について」のページには、保証料率表が2つ並んでいます。1つは協会の制度を使うときのもの、もう1つは香川県の制度融資を使うときのものです。どちらも責任共有制度の対象かどうかで「責任共有保証料率」と「責任共有外保証料率」に分かれ、それぞれ9区分です。

香川県信用保証協会の公式サイト「信用保証料について」の画面。協会制度利用時の保証料率表に①1.90/2.20から⑨0.45/0.50が並び、その下に香川県制度利用時の保証料率表が別表として置かれている公式キャプチャ
香川県信用保証協会「信用保証料について」。協会制度と香川県制度で料率表が分かれている(2026年10月23日に表示)。
協会制度利用時の保証料率(香川県信用保証協会の公式ページより、単位は%)
区分 責任共有保証料率 責任共有外保証料率
① 1.90 2.20
② 1.75 2.00
③ 1.55 1.80
④ 1.35 1.60
⑤ 1.15 1.35
⑥ 1.00 1.10
⑦ 0.80 0.90
⑧ 0.60 0.70
⑨ 0.45 0.50

協会は同じページで「信用保証料のほかは、調査料、相談料、用紙代など一切いただきません」とも書いています。保証付き融資の費用として見るべきは、金融機関に払う利息と、この保証料の2つです。全国の協会の位置づけは信用保証協会は全国に51で整理しています。

香川県の制度融資を通すと、同じ区分で最大0.35ポイント下がる

2つの表を並べると、香川県制度のほうが全区分で低いことが分かります。差が大きいのは上位の区分で、①では0.35ポイント、②から④では0.30ポイントの差です。

責任共有保証料率の比較(協会制度と香川県制度、単位は%)
区分 協会制度 香川県制度 差
① 1.90 1.55 0.35
② 1.75 1.45 0.30
③ 1.55 1.25 0.30
④ 1.35 1.05 0.30
⑤ 1.15 0.90 0.25
⑥ 1.00 0.85 0.15
⑦ 0.80 0.70 0.10
⑧ 0.60 0.55 0.05
⑨ 0.45 0.40 0.05

借入金額3,000万円・保証期間5年・①区分で一括返済の場合、協会制度なら1.90%、香川県制度なら1.55%が掛かります。率の差0.35ポイントは、この条件では金額にして数十万円の違いになります。財務が評価されていない段階ほど差が大きい作りで、創業期や決算が浅い事業者ほど県制度を通す意味が出ます。

ここで注意したいのは、香川県制度は協会へ直接申し込む経路ではないという点です。県の融資制度は取扱金融機関を経由して申し込み、協会の保証が付く形になります。料率表が2つあること自体が、申込経路によって費用が変わることを示しています。

保証料がどういう性質の対価なのかは信用保証料は何の対価かにまとめています。

区分はCRDで決まる。貸借対照表が無いと⑤区分

9区分のどれが当たるかは、申込者が選べるものではありません。協会は注記で「中小企業信用リスク情報データベース(CRD)により確定決算内容と定性要因を評価します」と書いています。さらに、両方の料率表に同じ但し書きが付いています。

区分の決まり方について公式が書いていること

1
弾力化された9区分で構成されており、中小企業・小規模事業者の財務状況などを考慮して適用される区分が決定する。
2
評価にはCRDを使い、確定決算の内容と定性要因を見る。
3
貸借対照表を作成していない場合は⑤区分が適用される(協会制度表・香川県制度表の双方に記載)。
4
セーフティネット保証など一部の制度では、区分によらず一律の料率が適用される。

白色申告などで貸借対照表を作っていない個人事業主は、⑤区分の1.15%(香川県制度なら0.90%)から始まります。決算書を整えて区分が上がれば料率は下がりますが、その評価は確定決算に基づくため、申込の直前に用意して間に合うものではありません。

割引は2つだけ。それぞれ0.1%

協会が公表している割引は2種類で、いずれも0.1%です。多くの協会が持つ割引の種類は協会ごとに違うため、香川の場合はこの2つだけという前提で費用を見積もることになります。

香川県信用保証協会の保証料率の割引

有担保保証0.1%担保を提供した場合。一部割引とならない保証制度もある
会計参与設置会社0.1%会計参与を設置している旨の登記を行った事項を示す書類の提出を受けた場合
そのほか0件公式ページに記載されている割引はこの2つ

会計参与の設置には税理士または公認会計士が就任する必要があり、登記も伴います。0.1%のためだけに設置する判断にはなりませんが、すでに設置している会社は書類を出さないと割引が当たりません。

分割返済にすると保証料が下がる。係数は返済回数で決まる

保証料の基本式は「借入金額×保証料率×保証期間」ですが、分割返済の場合は分割係数が掛かります。返済が進むと残高が減るためで、回数が多いほど係数は小さくなります。

分割係数(香川県信用保証協会の公式ページより)
分割返済回数 6回以下 7回以上12回以下 13回以上24回以下 25回以上
均等分割返済係数 0.70 0.65 0.60 0.55
不均等分割返済係数 0.77 0.72 0.66 0.61

据置期間を置く場合は、据置期間部分と分割期間部分を分けて計算し、合算する形になります。公式ページは据置の有無と分割の組み合わせごとに計算式を並べており、保証料シミュレーションも用意されています。同じ借入金額でも、期間と返済回数の設計で保証料は変わります。

香川県の制度融資は、利率の上限まで決まっている

香川県が公表している融資制度には、限度額・期間に加えて利率の上限が書かれています。保証料率が低いだけでなく、金融機関に払う利息の上限も制度側で決まる点が、県制度を通す実務上の意味です。

香川県の公式サイト「協調支援型特別保証融資」のページの画面。対象・限度額2億8,000万円以内・期間・利率年2.20%以内などの条件が表で並んでいる公式キャプチャ
香川県「協調支援型特別保証融資」。限度額・期間・利率が制度として定められている(2026年10月23日に表示)。
香川県の融資制度の例(香川県の公式ページより、2026年10月23日時点)
制度 限度額・期間 利率
協調支援型特別保証融資 2億8,000万円以内(組合は4億8,000万円以内)。設備資金10年以内(据置3年以内)、運転資金10年以内(据置1年以内) 融資期間7年以内は固定 年2.20%以内、7年超は固定 年2.40%以内
経営安定融資(経営者保証非提供促進タイプ) 長期資金は設備10年以内(据置1年以内)、運転7年以内(据置6か月以内) 長期で7年以内は固定 年2.40%以内、7年超は固定 年2.50%以内。短期資金は固定 年2.30%以内

経営安定融資の経営者保証非提供促進タイプには、国の保証料補助が付きます。香川県の案内によると、補助率は申込日によって変わり、令和6年4月1日から令和7年3月31日までが0.15%、令和7年4月1日から令和8年3月31日までが0.10%、令和8年4月1日から令和9年3月31日までが0.05%です。条件変更に伴って追加で生じる信用保証料は補助の対象外とされています。

協調支援型特別保証融資の条件には、申込金融機関から保証付き融資の実行と原則同時に、保証付き融資額の1割以上(融資期間12か月以上)のプロパー融資を受けることが入っています。保証だけで借りる制度ではなく、金融機関がプロパーでも出すことが前提の設計です。

繰上返済すると保証料は戻る。ただし条件がある

保証料は前払いなので、早く返した分は戻ります。協会は返戻の条件を公開しており、金額の下限と、返る割合が決まっています。

保証料の返戻(香川県信用保証協会の公式ページより)
返戻の下限 返戻保証料の額が1件1,000円を超えること
完済日の属する1年 未経過部分の信用保証料のうち、原則としてその90%
完済日の属する1年を超える期間 その全額
区分の仕方 当初の信用保証料計算起算日から1年ごとに区分して計算する

完済した年の分は1割が戻らない設計なので、借換えを繰り返すほど戻らない部分が積み上がります。借換えで金利を下げる判断をするときは、この戻らない1割も計算に入れてください。

よくある質問

香川県信用保証協会の保証料率はいくらですか

協会制度を使う場合の責任共有保証料率は①1.90%から⑨0.45%、責任共有外保証料率は①2.20%から⑨0.50%です。香川県の制度融資を使う場合は別表で、責任共有保証料率が①1.55%から⑨0.40%になります。

どの区分になるかは自分で選べますか

選べません。協会はCRDにより確定決算内容と定性要因を評価して区分を決めると書いています。貸借対照表を作成していない場合は⑤区分が適用されます。

保証料のほかに費用はかかりますか

協会は「信用保証料のほかは、調査料、相談料、用紙代など一切いただきません」と明記しています。金融機関に払う利息や、担保を設定する場合の登記費用は別に発生します。

割引はどれくらいありますか

公式ページに記載されているのは2つで、有担保保証に対する0.1%と、会計参与設置会社に対する0.1%です。有担保の割引については、一部割引とならない保証制度もあるとされています。

香川県の制度融資は協会に直接申し込めますか

香川県の制度融資は取扱金融機関を通じて申し込み、信用保証協会の保証が付く形です。協調支援型特別保証融資では、保証付き融資額の1割以上のプロパー融資を原則同時に受けることが条件に入っています。

繰上返済したら保証料は全額戻りますか

全額ではありません。完済日の属する1年については未経過部分の原則90%、それを超える期間については全額が対象です。また返戻額が1件1,000円を超えない場合は返戻されません。

出典

  • 香川県信用保証協会「信用保証料について」 — 協会制度・香川県制度の保証料率表(9区分、責任共有/責任共有外)、CRDによる区分決定、貸借対照表を作成していない場合は⑤区分、有担保0.1%と会計参与設置会社0.1%の割引、保証料の計算式と分割係数、返戻の条件、保証料以外は徴収しないこと
  • 香川県「協調支援型特別保証融資」 — 限度額2億8,000万円以内(組合4億8,000万円以内)、設備・運転とも10年以内、利率は7年以内が年2.20%以内・7年超が年2.40%以内、プロパー融資を原則同時に受ける条件
  • 香川県「経営安定融資(経営者保証非提供促進タイプ)」 — 長期資金の期間と利率、短期資金の利率、国の保証料補助が申込日により0.15%・0.10%・0.05%と変わること、条件変更で追加される保証料は補助対象外であること
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