ビジネスローンとは?ビジネスローンと銀行融資のメリットデメリット比較

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「ビジネスローンって、どんなローンのことを言うの?」
「ビジネスローンで資金調達したいけど、仕組みがよく理解できていない。」
「ビジネスローンは、銀行融資と何が違うの?」

という経営者の方も少なくないはずです。今回は「ビジネスローンとは?何なのか」「ビジネスローンと他の資金調達方法は何が違うのか?」を中心にわかりやすく解説します。

ビジネスローンとは?

ビジネスローンとは

事業資金のための法人向け無担保ローンのこと

を言います。

ビジネスローンには呼び方が色々あります。

事業性ローン、事業ローン、事業者ローン、自営業ローン、商工ローン、法人ローン、法人カードローンビジネスカードローン・・・明確な定義はなく、各銀行が自由に名前を付けるため色々な呼び名ができてしまっているのです。

メガバンクの三井住友銀行がビジネスセレクトローンという名称で法人向け無担保ローンを提供していたため、「ビジネスローン」という言葉が一番浸透していると言っていいでしょう。

ちなみに個人向け無担保ローンのことを「カードローン」と言います。「カードローン」はプライベート資金は使途自由で利用できますが、事業性資金への利用はできません。「カードローン」を提供している消費者金融や銀行が同じ仕組みを活用して法人向けに「ビジネスローン」を提供することも少なくありません。

ビジネスローンが使える人は?

  • 個人事業主(自営業者)
  • 法人経営者

です。

  • 個人事業主(自営業者)向けのビジネスローン
  • 法人経営者向けのビジネスローン
  • 両者が利用できるビジネスローン

があります。

ビジネスローンが誕生した経緯

ビジネスローンは、元々銀行が開発した中小企業零細企業向けのローン商品です。

銀行融資には「プロパー融資」「信用保証協会の保証付融資」がありますが、これらは1998年中小企業金融安定化特別保証制度が創設されてから徐々に整備されてきたものです。

以前は銀行自身がリスクを取らなければならない「プロパー融資」のみしかありませんでした。中小企業、零細企業の倒産率は高く、「プロパー融資」の金利、審査基準ではほとんどの中小企業、零細企業に融資ができないことになってしまったのです。

そこで、

金利は高いけれども、審査条件を緩和した中小企業、零細企業ターゲットのローン商品

として「ビジネスローン」が開発されたのです。

ビジネスローンの主役は銀行からノンバンクに

上記の経緯で銀行が「ビジネスローン」という商品を開発したのですが「信用保証協会の保証付融資」という選択肢で、中小企業、零細企業へ融資ができるようになったため銀行の「ビジネスローン」の存在意義というのが薄れてしまったのです。

銀行はビジネスローン商品を廃止したり、積極的に営業しなくなっている現状があります。

貸し倒れリスクが高い「ビジネスローン」よりも、貸し倒れ損失の8割を信用保証協会が持ってくれる「信用保証協会の保証付融資」の方がリスクが少ないからです。

反面、消費者金融やカード会社などのノンバンクが、銀行の「信用保証協会の保証付融資」も受けられない中小企業、零細企業の受け皿として「ビジネスローン」を積極的に販売しています。

ノンバクの方が

  • 最短即日融資が可能
  • 審査が銀行のビジネスローンよりも甘い

という特徴が、より発揮されるため、ローン商品としてもノンバンクの方がビジネスローンとの相性が良いのです。

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結果として、ビジネスローンは、銀行ではなく、ノンバンクがメインで提供する法人向けのローン商品となっているのです。

ビジネスローンと銀行融資の比較

項目 ビジネスローン 銀行融資
提供会社 銀行、消費者金融、カード会社 銀行
利用対象 個人事業主、法人経営者 個人事業主、法人経営者
経営者の連帯保証 必要 必要
第三者保証人 不要 必要。信用保証協会の保証など
担保 不要 状況によって必要になる
限度額 最高1000万円 制限なし。数億円レベルの融資も可能
融資期間 1~10年 1~20年
金利(年率) 5.0%~15.0% 1.0%~5.0%
融資までのスピード 即日~1週間 3週間~2カ月
審査の難易度 甘い 厳しい
審査の方法 スコアリングシステムによる審査 融資担当者による個別審査
創業融資 利用できないビジネスローンがほとんど 信用保証協会の「創業融資制度」なら借入可能
資金使途 自由 契約によって異なる
必要書類 ・本人確認書類
・決算書
・登記事項証明書
・税務申告書
・納税証明書
・本人確認書類
・決算書
・試算表
・事業計画書
・資金繰り表
・借り入れ状況の一覧
・借入申込書
・登記事項証明書
・印鑑証明
・税務申告書納税証明書
メリット ・審査が甘い
・最短即日融資が可能
・担保が不要
・第三者保証人が不要
・事業計画書などの提出は不要
・金利が低い
・限度額が高額
・信頼性が高い
・融資可能期間が長い
デメリット ・金利が高い
・限度額が少額
・融資可能期間が短い
・審査が厳しい
・融資まで1カ月程度の時間がかかる
・場合によっては第三者保証人や担保が必要

担保と保証人が違う!

ビジネスローンは

  • 第三者保証人:不要
  • 担保:不要

のローン商品です。

銀行融資の場合、「信用保証協会の保証付融資」で融資を受けるということは「信用保証協会に保証料を支払うことで保証人になってもらっている」ことを意味しています。

プロパー融資の場合は保証人を必要としないケースもありますが、プロパー融資の審査を通るのは中小企業、零細企業にとっては至難の業です。

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ビジネスローンは、担保も、第三者保証人も不要なので

  • 第三者に迷惑を掛けずに利用できる
  • 担保がなくても利用できる

メリットがあるのです。

銀行融資も、ビジネスローンも、経営者本人の連帯保証は必要ですので、ここには違いはありません。

審査が違う!

銀行融資の場合

銀行の融資担当者が企業に対して個別に審査を行います。

  • 現地への訪問
  • 経営者との面談
  • 決算書の確認
  • 事業、商品の確認
  • 業界シェア
  • 競合優位性
  • 経営者の資質
    ・・・

等、様々な角度から評価し、融資の稟議書を融資担当者が作成するのです。

融資の稟議書には

  • 企業の基本情報
  • 企業の決算数値
  • 融資条件
  • 適用予定金利
  • 保全状況
  • 返済能力
  • 他行の融資状況
  • 稟議書の作成者の結論

が記載され、融資担当者が稟議書を作成した後は

  • 支店内で稟議書回覧
  • 支店長が中間決裁
  • 本部の部長・役員が最終決裁

と稟議書が回り、最終的な決裁が降り、融資ができる流れになるのです。

1社、1社個別に状況を確認して審査をするため、時間もかかりますし、融資担当者の能力や考え方にも大きく審査結果が左右されるのです。

ビジネスローンの場合

スコアリングシステムによる審査

が採用されています。

ビジネスローンが開発され経緯にも関係してくるのですが

簡単に言えば

50万、100万という少額の融資に対して、前述したフローで個別に融資審査を行っていたら、「稟議書作成コスト」「調査コスト」「各関係者の時間コスト」が利息収入でペイできなくなってしまうのです。

100万円貸したとしても、金利が3.0%の低金利の場合、年間の利息収入は3万円しかないのですから、人件費の高い銀行の融資担当者をアサインしても、元が取れないのは当然なのです。

そこで採用されたのが「スコアリングシステム」です。

「スコアリングシステム」とは

パソコンで自動的に審査をして、審査コストを削減することを目的に作られたシステムのことです。

決算書などのデータを審査担当者が入力することで、過去の同業種、同規模の企業、同じような経営状態の会社の融資実績データから、「審査の可否」「融資可能金額」「融資時の適用金利」が自動的に算出されます。

「スコアリングシステム」は、過去の融資データを利用したビックデータという仕組みを利用しています。

会社Aが1,000万円の借入を申込んだ場合

審査担当者は会社Aが提出した決算情報や申込情報を入力します。

スコアリングシステムは

  • 会社Aと同じ業種
  • 会社Aと同じ売上規模
  • 会社Aと近い融資額
  • 会社Aと近い決算数値(自己資本比率、流動比率、経常利益率・・・)

の企業群の過去データを見て「貸し倒れ率」を算出します。

「貸し倒れ率」よりも、高い金利で融資をすれば銀行側に貸し倒れは発生しませんので

  1. 近い会社の「貸し倒れ率」 → 会社Aの予想貸し倒れ率を算定
  2. 予想貸し倒れ率に銀行側の利益分○%を上乗せして融資可能金利を算出
  3. 融資可能金利がビジネスローンの上限金利を超えていなければ融資可能

という流れで

会社Aは「金利10.0%」「融資額300万円」「融資可」という審査結果が数分で計算されるのです。

審査担当者はこの結果を上司に持って行って、融資の最終判断を仰ぎます。

問題なければビジネスローン審査通過ということになります。

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ビジネスローンの審査は

  • はじめから金利が高く設定されているため、審査の許容範囲が広い(許容できる貸し倒れ率が高い)

というメリットがある一方で

  • 決算書などのデータから機械的に審査が行われてしまうため、事業性や将来性などが加味されない

というデメリットもあるのです。

融資スピードが違う!

銀行融資の場合

前述したフローで融資がおこおなわれます。

  1. 融資担当者が申込みのあった企業を調査(現地訪問、経営者面談、競合の調査など)
  2. 融資担当者が稟議書作成
  3. 支店内で稟議書回覧
  4. 支店長が中間決裁
  5. 本部の部長・役員が最終決裁

稟議書を作成する前の調査だけでも、3日~1週間はかかってしまいますから、稟議書作成や支店内での回覧、本部での決済といフローになれば、3週間~2カ月かかることも珍しくはないのです。

ビジネスローンの場合

  1. 審査担当者が決算情報や申込情報をスコアリングシステムに入力(5分~10分)
  2. スコアリングシステムが審査結果を判定(1分)
  3. 上長に融資可否の決裁を取る(3分~5分)

最短1時間融資としているビジネスローンもあるぐらいですから、ビジネスローンには数分で審査結果ができる大きなメリットがあるのです。

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「金利が高くても、数日以内に支払わなければならないものがある。」という経営者にとっては、銀行融資よりも、ビジネスローンの方が何倍も助かることになります。
ビジネスローンの上限金利は15.0%のところが多いのですが、1ヶ月であれば1.2%程度の利息発生ですので、大きなコスト負担ではありません。銀行融資も同時に申込んで融資が降りるまでの間は、ビジネスローンで資金繰りの緊急事態を回避する方法も検討すべきです。

限度額が違う!

銀行融資の場合

信用保証協会の保証で「普通貸付」であれば、上限の限度額は4,800万円(特定設備資金: 7,200万円)と比較的高額な借入が可能になります。

プロパー融資の場合は、企業と銀行の個別の融資契約になるので、上限はありません。

上場企業などは数千億円という資金調達をすることもあります。

ビジネスローンの場合

上限の設定は300万円~1,000万円程度です。

ただし、これは限度額の上限設定ですので、この限度額が設定されるわけではありません。一般的に初回の借り入れでは、100万円~200万円というのがビジネスローンの相場です。

審査次第で「いくらの限度額が設定されるのか?」が変わってくるので、審査の評価の低い方は50万円しか借りられないということも往々にして発生します。初回の融資額が小さくても、返済を継続していれば「枠の増額」「追加融資」が可能になります。

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ビジネスローンはそもそも銀行のプロパー融資が受けられない中小企業、零細企業向けのローン商品ですので、貸し倒れリスクを下げるために融資可能額というのは、少なめに設定されているのです。

また、はじめは小さく貸して、返済実績ができてから枠を増額する運用にすると、金融機関側の貸し倒れリスクが抑えられるため、返済実績がない状態ではビジネスローンで借りられる金額は少額になってしまう可能性が高いのです。

ビジネスローンと銀行融資は使い分けが必要!

ビジネスローンと銀行融資は、メリットデメリットが大きく異なります。

  • 資金調達をするまでの猶予期間が2ヶ月以上はある
  • 担保も、保証人も、用意ができる
  • 銀行の融資審査は通る自信がある

という法人の場合は、わざわざビジネスローンを利用する必要はありません。

銀行融資の方が低金利というメリットがあるからです。

一方で

  • 銀行融資の審査に落ちた
  • 今日中に支払わなければならないが資金がない
  • 銀行融資を申込だが審査結果が出る前に時間がかかるためすぐに資金が必要

という法人の場合は、ビジネスローンが有力な選択肢になるのです。

状況によっては併用も検討する

ビジネスローンは最短即日融資が可能で審査も甘い使い勝手の良いローンですが、金利が高いので長期の設備投資や運転資金に活用するのには向いていない資金調達方法です。短期の資金繰りに向いている資金調達方法なのです。

しかし、銀行融資は審査結果が出る前時間がかかるため緊急時の資金調達には不向きというデメリットがあります。

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このような場合は、まずはビジネスローンで緊急自体を回避しておいて、銀行融資の審査が通るまでの期間稼ぎをすることが可能です。銀行融資の審査が無事通ればビジネスローンの借入を完済してしまえば、金利が発生するのは1ヶ月~2カ月で済むのです。1ヶ月~2ヶ月の利息負担であれば、それほど大きな費用にはなりません。

まとめ

ビジネスローンは銀行融資と比較すると

  • 審査が甘い
  • 最短即日融資が可能
  • 担保が不要
  • 第三者保証人が不要

というメリットがありますが

  • 金利が高い
  • 限度額が少額
  • 融資可能期間が短い

というデメリットもあるローン商品です。

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ビジネスローンと銀行融資のメリットデメリットを理解した上で、ビジネスローンと銀行融資を使い分けましょう。どちらも、経営には欠かせない資金調達の選択肢です。
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