ビジネスローンの平均金利は12.1%!?貸金業者の現状とビジネスローン融資データ

man
「ビジネスローンって他の会社はどのくらいの金利で借りているの?」
「ビジネスローン会社に相談したら、金利条件の変更など相談できるの?」
・・・

ビジネスローンを利用している経営者はビジネスローンに関する色々な疑問を持つかと思います。今回は「日本貸金業協会」のレポートを参考に、ビジネスローン融資の実態を解説していきます。

目次

出典データ

日本貸金業協会:貸金業者の経営実態等に関する調査結果報告

  • 調査期間:平成28年12月6日から平成29年1月16日
  • 調査対象:貸金業者 1,885業者(日本貸金業協会の協会員、及び非協会員)
  • 有効回答数:貸金業者 978業者(事業者向貸金業者 310業者)

貸金業者データ

貸金業者数の内訳

業者分類貸金業協会員金融庁公表分
事業者数残高事業者数残高
業態名(社)(%)(億円)(%)(社)(%)(億円)(%)
消費者向無担保貸金業者1.17745.5%75.78738.9%1.66538.8%72.85319.2%
消費者向有担保貸金業者2288.8%1.6951.0%3147.3%1.9330.5%
消費者向住宅向貸金業者421.6%3.1531.5%781.8%6.1581.6%
事業者向貸金業者59623.0%24.5915.1%1.18427.6%168.54644.5%
手形割引業者843.2%6550.4%2064.8%9610.3%
クレジットカード会社1706.6%33.86313.5%1543.6%24.6356.5%
信販会社542.1%34.26118.7%1122.6%54.43414.4%
流通・メーカー系クレジット会社351.4%16.4616.1%601.4%4.3171.1%
建設・不動産業者682.6%1.0440.8%2024.7%4.9621.3%
質屋50.2%150.0%651.5%1320.0%
リース会社471.8%10.0523.8%962.2%39.43510.4%
日賦貸金業者833.2%790.0%1573.7%950.0%
合計2.589100.0%201.66100.0%4.293100.0%378.467100.0%
concierge

考察

貸金業者の中でビジネスローンを取り扱う事業者向貸金業者は、事業者数ベースで23.0%、残高ベースで15.1%となっています。ただし、金融庁の公表データでは、事業者数ベースで27.6%、残高ベースで44.5%となっています。

貸金業者の中でも、事業者向け貸付は無視できない規模を持つ融資先ということになります。

事業者向貸金業者データ

事業者向貸金業者の業者数推移(社)

~2%2%~16%16%~
2008年248811757
2009年200729513
2010年185661338
2011年176522209
2012年173506115
2013年16350084
2014年16048668
2015年16344062
2016年16442055
2017年16040641

事業者向貸金業者の貸付残高推移(兆円)

~2%2%~16%16%~
2008年1061
2009年115.90.3
2010年11.44.70.1
2011年9.12.60
2012年9.61.60
2013年9.71.40
2014年9.91.10
2015年1010
2016年7.60.70
2017年7.110
concierge

考察

貸金業法の改正で上限金利が引き下げられてしまったため、経営状態が悪化するなどの統廃合が繰り返され、10年前と比較すると業者数は3分の1程度まで少なくなっています。融資額は2分の1程度ですので1社あたりの融資額は増えているという計算になります。

また、全体の7割ぐらいの事業者向貸金業者は金利「2%超16%以下」で融資をする業者であり、全体の25%ぐらいの事業者向貸金業者は金利「2%以下」で融資をする業者となっています。

貸付残高で見ると「2%以下」が8割を超えています。

このことからわかるのは

数少ない大口融資の事業者向貸金業者が、「2%以下」の低金利で高額な融資をしている一方で、全体の7割ぐらいの事業者向貸金業者は金利「2%超16%以下」で融資をしていることになります。

  • 大企業 → 2%以下の低金利で大口の融資 → 数少ない事業者向貸金業者が貸付
  • 中小企業・個人事業主 → 「2%超16%以下」の小口融資 → 全体の7割の事業者向貸金業者が貸付

という傾向が強いようです。

後述しますが、融資金利の平均は12.1%ですので

  • 大企業 → 2%以下の金利で融資
  • 中小企業・個人事業主 → 16%に近い金利で融資

と、二極化していることがわかります。

事業者向貸金業者の事業コスト構造

構成比2014年2015年2016年
利息収入15.3%13.1%12.1%
利息返還費用0.6%0.5%0.3%
その他販売管理費8.1%7.6%6.5%
貸倒償却費用2.5%1.5%1.0%
金融費用2.5%2.2%2.2%
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考察

ここで注目したいのは「利息収入」です。年々、上限金利が引き下げられた顧客残高が減るため、徐々に「利息収入」も減っています。

事業者向貸金業者の「利息収入」は「12.1%」となっています。

事業者向貸金業者の「利息収入」 ≒ ビジネスローンの適用金利

ですから、ビジネスローンを借りるときの目安は「12.1%」と考えて良いでしょう。ただし、大企業が2.0%以下の借入を数億円単位で行っているため、平均値は下げられてしまっている可能性が高い為、実際には14.0%~15.0%がビジネスローンの適用金利相場と言えます。

また、貸倒償却費用は「1.0%」となっています。

事業者向貸金業者の「貸倒償却費用」 ≒ ビジネスローンの貸し倒れ率

となるため、100社いたら1社が倒産などで貸し倒れする割合と言えます。それほど貸し倒れ率が高い印象ではありませんが、それほどビジネスローン審査は厳格に行われている証左とも言えます。

貸倒損失の影響

企業規模改善したやや改善した変わらないやや悪化した悪化したわからない
資本金5億円以上8.7%14.4%66.3%2.9%2.9%4.8%
資本金1億円以上5億円未満6.3%19.8%62.5%6.3%3.1%2.1%
資本金1億円未満6.0%12.7%60.9%11.8%4.6%3.9%
個人貸金業者6.5%10.1%52.2%11.6%6.5%13.0%

事業者向貸金業者の兼業の状況

項目構成比
貸金業法改正以前から兼業13.4%
貸金業法改正以降に兼業44.9%
貸金業以外の事業は行っていない41.7%
項目構成比
貸金業と相乗効果があると考えたから38.9%
貸金業だけでは経営が苦しくなったから28.6%
貸金業以外の事業に魅力を感じたから19.8%
グループ内の事業再編15.1%
その他17.5%
concierge

考察

不動産担保ローン会社が担保である不動産を売却するために不動産業をはじめたり、ビジネスローン会社がクレジットカード事業や保険の販売をはじめたり、貸金業法改正の収益性の悪化を回避するために兼業をはじめた事業者向貸金業者が44.9%とかなり多いようです。

事業者向貸金業者の現在行っている貸付と今後行いたい貸付

項目現在行っている貸付現在行っていないが今後実施したい貸付
事業者向け無担保ローン46.4%2.1%
事業者向け有担保ローン56.1%5.9%
関係会社向貸付27.3%2.8%
手形割引35.3%1.4%
個人向け無担保ローン15.2%1.7%
個人向け有担保ローン15.6%1.4%
個人向け住宅ローン6.20%0.3%
concierge

考察

事業者向け無担保ローンというのはビジネスローンがメインで、事業者向け有担保ローンは不動産担保ローンがメインです。事業者向け貸金業者としては「不動産担保ローン」「ビジネスローン」「売掛債権担保ローン」「手形割引」がメインであり、一部、個人向け無担保ローン「カードローン」や個人向け有担保ローン「不動産担保ローン」、住宅ローンなどを扱っている貸金業者もいるようです。

直近で事業者向無担保貸付を止めた業者の止めた理由(N=55)

項目構成比
上限金利引き下げの影響で採算が取れない32.7%
契約の事務手続き業務の負担が大きい29.1%
事業規模縮小で対応できない27.3%
総量規制の導入による影響25.5%
資金需要が見込めないから21.8%
必要書類の徴収が困難だから14.5%

今後、事業者向貸付を行いたい理由(N=55)

項目事業者向け無担保ローン事業者向け有担保ローン
資金需要が見込めないから見込めるから78.3%37.5%
金利が取れるから17.4%25.0%
事務手続きの負担が少ないから4.3%3.1%
現在の貸付業務との相乗効果が見込めるから21.7%31.3%
事業拡大したいから26.1%25.0%
関係会社から要請があったから4.3%12.5%
その他8.7%15.6%
concierge

考察

事業者向貸付は、貸し倒れリスクも大きい為、上限金利の引き下げで採算が取れないケースも増えてきており、事業者向無担保貸付を止めた業者も増えてきているようです。

一方で、依然として事業者向貸付の資金需要は大きく、高額な融資ができるため、参入を検討している貸金業者も多いようです。

事業者向貸付融資データ

事業者向貸付における事業規模別の貸付件数構成比

項目構成比
個人事業主43.5%
小規模企業35.1%
中規模企業以上21.4%

資金使途別・事業規模別の貸付残高構成比

項目一時的な運転資金恒常的な運転資金設備投資資金その他
個人事業主57.1%37.8%0.6%4.5%
小規模企業26.3%6.3%52.7%14.7%
中規模企業以上2.2%62.8%30.9%4.1%
concierge

考察

個人事業主や小規模企業は事業の一時的な運転資金、つなぎ資金としてのビジネスローンの活用が目立っています。金利が高金利になってしまう分、恒常的な運転資金としては使いにくいというのが本音だと思われます。

一方で、大企業はきんりが 2.0%以下で借りられる可能性が高い為、恒常的な運転資金としての利用も目立っています。

小規模企業では一番多いのは設備投資資金であり、ビジネスローンで調達した資金を設備資金として利用する会社が多くなっています。

貸付先業種別の貸付件数構成比

企業規模資本金5億円以上資本金1億円以上5億円未満資本金1億円未満個人貸金業者
卸・小売業18.6%22.5%14.0%5.0%
土木・建築業10.0%18.6%23.0%4.4%
サービス業24.3%16.0%8.9%7.7%
飲食店・宿泊業15.8%11.3%5.1%26.0%
製造業7.6%9.4%11.5%7.5%
不動産業11.5%7.1%9.7%0.8%
医療・福祉関連業1.6%2.9%5.7%5.9%
運輸業2.5%2.5%3.8%3.6%
情報通信業0.8%2.0%1.4%2.1%
内装・電気工事業0.2%0.3%2.8%0.7%
教育・学習支援業1.2%1.2%0.4%0.0%
農林水産業0.7%1.1%0.8%0.1%
金融・保険業1.6%0.1%1.0%0.0%
その他3.4%5.1%11.9%36.2%

貸付先年商別の構成比

企業規模1000万円以下3000万円以下5000万円以下1億円以下3億円以下5億円以下5億円超
資本金5億円以上23.7%28.2%13.0%12.8%10.3%2.4%9.5%
資本金1億円以上5億円未満26.5%8.7%4.2%6.2%10.2%4.9%39.2%
資本金1億円未満27.8%18.7%13.8%12.9%13.5%6.5%6.8%
個人貸金業者98.7%1.0%0.1%0.1%0.1%0.0%0.0%

貸付先資本金別の構成比

企業規模個人事業主300万円以下1000万円以下3000万円以下5000万円以下5000万円超
資本金5億円以上48.0%26.9%13.4%4.3%1.9%5.6%
資本金1億円以上5億円未満47.8%28.4%18.8%3.2%0.9%0.8%
資本金1億円未満47.9%14.8%22.9%6.0%2.5%5.9%
個人貸金業者73.8%22.5%3.4%0.3%0.0%0.0%

事業者向け貸金業者のサービス・施策に関するデータ

集客広告で現在実施している施策やサービス

項目構成比
インターネット広告22.9%
電話帳広告12.9%
新聞・雑誌広告9.2%
野立て看板4.8%
訪問営業4.7%
ポスティング・街頭配布3.9%
テレビ・ラジオCM3.5%
折込チラシ3.5%
交通広告2.1%
その他広告6.5%
集客に関する広告は行っていない52.3%

集客広告で今後注力したい施策やサービス

項目構成比
インターネット広告48.1%
新聞・雑誌広告18.5%
折込チラシ18.5%
テレビ・ラジオCM17.3%
ポスティング・街頭配布14.8%
その他広告12.3%
電話帳広告11.1%
交通広告9.9%
訪問営業9.9%
野立て看板7.4%

貸付・返済で現在実施している施策やサービス

項目構成比
銀行振込による貸付・返済77.2%
店頭・ATMでの貸付・返済53.7%
銀行等の預金振替口座による返済33.2%
提携先のATM等による貸付・返済20.0%
郵送での返済14.0%
コンビニ収納代行による返済8.1%
手形小切手による当座決済6.7%

貸付・返済で今後注力したい施策やサービス

項目構成比
銀行振込による貸付・返済45.9%
店頭・ATMでの貸付・返済26.2%
銀行等の預金振替口座による返済24.6%
提携先のATM等による貸付・返済19.7%
郵送での返済13.1%
コンビニ収納代行による返済8.2%
手形小切手による当座決済8.2%

顧客との連絡方法・手段として現在実施している施策やサービス

項目構成比
店頭窓口72.8%
電話(オペレーターによる応答サービス)63.8%
電子メール29.7%
インターネット(会員専用ホームページなど)20.0%
電話(機会による応答サービス)9.6%
SNS(LINE等)1.7%
チャットによる応答サービス0.1%

顧客との連絡方法・手段として今後注力したい施策やサービス

項目構成比
インターネット(会員専用ホームページ等)37.5%
SNS(LINE等)32.3%
電子メール29.2%
店頭窓口17.7%
チャットによる応答サービス15.6%
電話(オペレーターによる応答サービス)14.6%
電話(機械による自動応答サービス)13.5%

その他の現在実施している施策やサービス

項目構成比
事業者向貸付等の媒介67.1%
他の事業者との提携やアライアンスの推進30.3%
フィンテックを活用したビジネスモデルの変革(ソーシャルレンディングやビックデータを活用した与信判断等)6.6%
フィンテックを活用した貸付等の媒介(クラウドファンディングによる貸付等の媒介)1.3%

その他の今後注力したい施策やサービス

項目構成比
フィンテックを活用したビジネスモデルの変革(ソーシャルレンディングやビックデータを活用した与信判断等)65.1%
他の事業者との提携やアライアンスの推進46.0%
フィンテックを活用した貸付等の媒介(クラウドファンディングによる貸付等の媒介)44.4%
事業者向貸付等の媒介30.2%
concierge

考察

今後注力したい施策やサービスに注目すると

  • 集客・広告宣伝 → インターネット広告
  • 貸付・返済 → 銀行振込による貸付・返済
  • 顧客との連絡方法・手段 → インターネット(会員専用ホームページ等)、SNS(LINE等)
  • その他 → フィンテックを活用したビジネスモデルの変革(ソーシャルレンディングやビックデータを活用した与信判断等)

が注目されているようです。

インターネットを活用した集客・連絡をすることで、オペレーションコストを抑えることが重視されているようです。また、審査でもビックデータを活用した与信判断の導入が検討されるなど、将来的にはAIがビジネスローン審査を行う時代になるかもしれません。

重要経営課題と最重要経営課題

項目重要な課題として取組みしているもの最も重要な課題として取組みしているもの
コンプライアンスの徹底72.9%31.8%
改正貸金業法への的確な対応及び自主規制基本規則の遵守68.8%30.3%
営業力や収益力の強化45.9%24.9%
個人顧客情報の安全管理措置等44.5%6.2%
事業コストの削減36.6%5.8%
システムリスク管理態勢の整備32.4%2.6%
人材の確保・育成31.5%4.2%
与信管理の強化29.6%3.6%
過剰貸付防止等の審査姿勢の見直し26.3%3.5%
販路の拡大17.1%2.6%
カウンセリング機能の充実14.6%2.8%
事業の多角化や新たな事業への参入11.6%3.4%
資金繰りの改善11.6%2.8%
積極的な社会貢献等のCSR活動9.8%0.8%
広告宣伝の強化9.2%1.4%
その他1.3%1.0%

貸金業者への相談・問い合わせデータ

既存顧客から返済に関する問合せや、相談を受けた場合

提案ありなし
借入金返済の負担軽減に繋がる返済条件の変更に関する提案84.6%15.4%
借入金返済の負担軽減に繋がる借換え商品等の提案76.4%23.6%
経営再建や改善に関するアドバイス74.4%25.6%
債務解決及びセーフティーネット貸付等に関する相談先の案内64.8%35.2%

延滞中や、支払不能となった既存顧客から、債務整理等の相談を受けた場合

提案ありなし
借入金返済の負担軽減に繋がる返済条件の変更に関する提案77.2%22.8%
経営再建や改善に関するアドバイス71.8%28.2%
借入金返済の負担軽減に繋がる借換え商品等の提案69.5%30.5%
債務解決及びセーフティーネット貸付等に関する相談先の案内63.0%37.0%
concierge

考察

事業者向け貸金業者も、意外なほど丁寧に返済に関する相談を受けた場合は解決策を提案しているようです。

結局、貸金業者も返済が止まってしまう状態「貸し倒れ」は避けたいので、銀行と同じように返済条件を変更する、借り換えによる返済負担の軽減を行う、経営に関するアドバイスをするという機能を有しているようです。

ビジネスローンの返済が苦しいときには、隠すのではなく、貸金業者に相談して返済条件の見直しを提案するなども、有効な資金繰り対策になりうるのです。

まとめ

  • 事業者向貸金業者の数:全体の4分の1程度
  • ビジネスローンの平均金利:12.1%
  • ビジネスローンで借りた会社の貸し倒れ率:1.0%

となっています。

貸金業者全体にとっては、貸金業法の改正によって、上限金利が18.0%以下に設定されたことは収益性を悪化させる大きな要因となっているようです。

しかしながら

  • ネットを活用して事務コスト、審査コストを下げる
  • 別の事業を展開する
  • 返済条件の見直しや経営相談を実施する

などの取り組みも積極的に行っているようです。

また、借りる側にとっては一時的な運転資金、設備投資資金としてビジネスローンを活用する個人事業主、小規模事業者が多く、最短即日融資ができるビジネスローンは以前として、有力な資金調達の選択肢であることは変わりがないようです。

ビジネスローンの返済が苦しくなった場合は、多くの貸金業者が返済条件の見直しや経営アドバイスなどの対応をしているとのことですので、気軽に相談してみることをおすすめします。

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